新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

へたれの『ニューヨークへ逝きたいかあ!』〜その参〜

「2万円」に釣られた人々

只今、アメリカン航空158便大阪発ニューヨーク便の中。テロの影響から乗客が少ないと思いきや、機内は満員。本当に経営危機なのかアメリカン航空?と思わせる程の混雑ぶりである。そして、僕の周りは殆ど日本人。今回のツアー客が一箇所に固まって座っている模様。若いカップルの姿が目立つ。ま、今回のツアーは二人一組を募集していたので当然といえば当然だろう。墜落して欲しいなって気分もちょっぴり沸いた。そんなカップルの中でも驚いたのが、60代くらいの夫婦がいたことだ。素晴らしい。60代といえば、僕の両親くらいの年代である。両親にこのツアーを勧めても、決して行くことはないだろう。そう考えるとチャレンジャーな夫婦である。*1

充実設備の機内

さて、このアメリカン航空。正確に言えば、ボーイング777−B200。設備が素晴らしい。僕たちの座っている正面、つまり前の席の後ろにモニターが付いていて、テレビ・映画・音楽・現在の飛行状況を見る事ができた。僕は以前、オーストラリアに行ったことがあり、その時利用したのが「キャセイ・パシフィック」という香港の航空会社。こんな設備はなく、オーストラリアに着くまでずっと寝るかボーっとするしかなかった。まあ、その時は初めての海外旅行。長時間飛行機に乗るのも初めてだったので、退屈ではあったが、耐え切れないということはなかった。
しかし、今回はさすがに退屈だろうと思い、関空で本を買い、ぐっすり寝る為に首に巻くエアー式の枕を準備した。僕なりに学習したつもりだ。が、いざ搭乗してみれば、この設備。な、何ということだろう。早速、色々試してみる。まだ、飛行機は安定飛行に達していないのか映画などは放映されていなかった。しかし、番組案内を見てみると、映画は合計4本。フライト時間が約13時間だから、充分な暇つぶしができる。万歳アメリカン航空*2
・・・・数時間経過。只今、飛行情報で日本を脱出しました。TERRAZI氏は、この旅行が終わった後に仕事で使う資料をノートPCで作成中。僕は、ボーっと天井を見ていた。え、映画?つけてはいるけど、見てはおらず。だって、つまんないんだもん。ちゅうか、見る為の集中力がない。それでは、暇つぶしアイテムその1の本でも読もうかと思ったけど、これがまた失敗。世界の歴史を紐解く本だったが、突然説明なしの文字が出てきてみたり、文章が読みづらく、いらいらする。第一、関空でTERRAZI氏を待っている間に殆ど読んでしまったし(涙)
こうなると、暇つぶしアイテムその2(枕)を使って寝るしかない。しかし、オーストラリアに行くときは、乗客が殆どいなかったので、四人分の席を利用して横になってぐっすり寝られたが、今回はとてもそんな状況ではない。席を目一杯倒せるだけ倒して寝ることにした。

日付変更線

・・・・それから数時間。揺れる揺れる、機内が大きく揺れる。只今、激しい気流の乱れの真っ只中。シートベルトを装着しなければ、以前ニュースであった天井に頭をぶつけそうである。TERRAZI氏は爆睡中。僕は逆にこの気流の乱れで目が覚める。機内は、就寝用に暗くなっていた。暇なので、飛行状況を見る。もう少しで日付変更線を越えそうである。小さい頃、「日付変更線の上ってどんな所だろう?線が引いてあるのかな?」なんて思っていたが、日付変更線の上は、ただ揺れるだけである。また、ここで時計の針を調節するのも夢であったが、僕は現在、携帯電話が時計代わりになっており、その携帯電話は飛行中の為、電源オフ。こうして夢が潰えていくんだな

ダラス国際空港

そしていよいよアメリカ突入、乗り換え地点であるダラスの空港へ。非常に長いフライトが終わった。飛行機にあった到着地点までの距離計の数字が減るのが待ち遠しかった。世界はまだ広い。テレビ・電話・インターネットが普及した現代、アメリカが近い存在に思えていたが、やはり行くとなると遠い。勘違いを是正される。しかも、これでまだニューヨークに到着していないのだ。だいたい何故これだけ遠くに感じたかというと、飛行機の混み具合に寄るところが大きい。長時間ずっと席に座っていたのだ。足がうっ血しない筈がない。続にいう「エコノミー症候群」というやつだ。全身がだるく、頭がくらくらした。
オーストラリアに行ったときは合計12時間くらいの飛行だったが、それほど遠い国に感じなかった。初めての長時間飛行というのもあったのだろうが、やはりぐっすり眠れたというところが大きい。それが今回殆どなかった。ケツの痛みとの戦いであった。痛くてたまらなかった(別に痔という訳ではない)。あの世界トップレベルの「レカロシート」であっても、痛いものは痛い。

入国審査でトラブル

とうとう着いたんだ、アメリカ。ターミナルから見るアメリカは、雲ひとつない晴天だった。ケツ痛いけど。
早速、入国審査を受ける。僕たちは、機内で入国審査の用紙を記入していなかった(正確には貰っていなかった)ので、ここで記入した。用紙置き場には、中国系のアメリカ人姉ちゃんがいて(ここの職員と思われる)、「ヘイ、ジャパニーズ、この用紙に記入しろ。あんた達はどの空港から来た?」などと、質問攻めにあい、しまいには彼女がTERRAZI氏のパスポートを奪い書き始めた。親切な国である。しかし、会話は下手だが、筆記は大丈夫な日本人、彼女の質問攻めで余計な時間を浪費してしまう。黙って僕らに書かせてくれれば良かったものを。
僕は、入国審査というものが嫌いである。オーストラリアの時もそうだったが、ここでつまづいてしまうのだ。今回も例に漏れず、つまづいてしまう。

審査官:「・・・・・」(パスポートと入国審査用紙をチェック中)
へたれ:「・・・・・」(相手の出方を伺う)
審査官:「この国への目的は?」(こっちを見ずに)
へたれ;「観光だよ」(ちょっと審査官を間違ったなと思い始める)
審査官:「誰と来た?」(そう言いながら、パスポートをチェック中)
へたれ:「???」(予想しなかった質問に慌てる)
審査官:「同行者はいないのか尋ねている。一人か?」(少し怒り気味)
へたれ:「ああ、あそこにいる友達と」(質問の意味をようやく理解し、ほっとする)
審査官:「いくら持ってきた?」(ここで初めて僕を見る)
へたれ:「200ドル」(現金でこれだけだと審査官に見せる)
審査官:「ふん。」(ようやくスタンプを押す)

どうも、僕は審査官と相性が悪いらしい。こんなところで金を見せているのは僕くらいだ。そんなに僕の容姿・風貌が怪しいというのか(泣)。だいたい、喋るのが早いっちゅうねん、こっちが英語下手くそなの判っていたくせに。普通、審査の質問は、入国目的・宿泊先くらいだ。不意の質問は慌ててしまう。こんな所で英会話テストなどしなくてもよいのに。あっさりスタンプを押してもらったTERRAZI氏は、審査官に金を見せている僕を不思議そうに見ていた。

乗り換えでトラブル

乗り換えの2時間はあっという間だった。このダラス国際空港、とにかく広い。関空を軽く越えている。空港規模では、アメリカ一らしい。乗り換え便に乗るには、「C」というターミナルビルに行く必要があった。到着した飛行機は、「A」というターミナルだ。そこで一緒に到着したツアーの日本人に着いていけば、「C」ターミナルに間違わず着いたのだろうが、あえて僕たちは、この空港に走っている無人電車を楽しんでから「C」ターミナルに向かった。*3これが失敗。搭乗手続きの時に「君らの飛行機はまもなく出発する。急げ。走れ。」と言われてしまう。

そしてNYへ

いよいよ次は目的地のニューヨークである。機内では、何故かTERRAZI氏と別々の席になっていた。融通が利かないアメリカ万歳。

*1:ワシが印象に残っているのは「Gパン夫婦」たかが3泊の旅なのにデカいスーツケースをいくつも持ってきて他ので「中に子供でも入ってるの?(笑)」「今NYは消費税がタダなんですよ。だからGパン仕入れに行くんです」うん、たくましくてよろしい!

*2:ワシがオーストラリアに行ったときは副作用(ハンドル名)おすすめの「シンガーポール航空」エコノミーにもかかわらず、スーパーファミコンで遊べる。「カービーボール」にはまってしまい、着くまでにクリアしようと必死で頑張った(笑)

*3:どうにも「団体行動」ってやつが苦手なのだ