スピードダイヤルと「初心者」へのやさしさ - ピザオフで話したこと(2)
＜前：Operaとコミュニティの話
で、「初心者が入りにくい」繋がりで「スピードダイヤル」の話をした。Operaは「上級者向け」というイメージがある。しかしそれは半分は当たってるけど、半分は間違ってる。確かにOperaは上級者を満足させるだけのものを持っている。でも初心者にも優しい設計になっているのだ。
初心者でもとにかく使える
例えばOperaコミュの一つにIRC #japaneseがある。IRCってのはチャットのこと。でもWebチャットよりも快適で、内緒話やファイル転送機能もある。#japaneseはいつでも大賑わいってわけじゃないけど、夕方頃からは誰かが居てマターリと話している。で、「参加してみたいなぁ」と思っても、IRCクライアントをインストールしなきゃダメだと、いきなり敷居がが上がっちゃうでしょ？ Operaならirc://irc.opera.com/japanese*1をクリックして、名前とメールアドレスを入れれば、すぐに使えちゃう。話題のP2P「BitTorrent」だって標準搭載だ。
これらは専用のソフトに比べるともの足らない。でも「初心者でもとにかく使えるのが大事」とOperaは考えてる。で、もっといいのを使いたくなったら、専用ソフトを使ってね。ってテッちゃんも言ってた*2
で、スピードダイヤルなんだけど、これはもっと「初心者」に歩み寄った新機能だ。簡単に言うと「厳選ブックマーク９つを簡単に呼び出す」機能。以前話した]けど、人間が把握できる範囲は１０まで。たくさんブックマークしても、結局ちらかるばかりで、使いこなせない。上級者はニックネーム機能や検索を使ったり、パーソナルバーを利用したりで何とか出来る。だから「スピードダイヤル」を「イラネ」と見向きもしない者*3もいたのだ。つまり「スピードダイヤル」は「ブックマーク・お気に入り」を使いこなせない初心者のためにあるのだ。
で、最初「イラネ」って言ってた奴らも、試してる内に「便利じゃん！」って、結局使ってる*4。まさにテッちゃんの思う壺のワシらなのである。
「スピードダイヤル」という名前になるまで
「スピードダイヤル」って名前になったのにも紆余曲折があった。β版では「短縮ダイヤル」だった。多分、「ワンタッチダイヤル」とか「らくらくダイヤル」とか試行錯誤があったに違いない。「ダイアル」とどちらがいいか迷って、NTTも「ダイヤル」だからこっち！ なんて悩んだのだろう。「少しでもわかりやすい名前を」というOperaの気持ちが表れている。
Wiiチャンネル*5
そして、このスピードダイヤルは「Wiiチャンネル」と同じ発想だということが分かると思う。つまりOperaはWiiや任天堂DSなどで初心者の裾野を広げ、デスクトップでも同様の操作性を提供しようと考えているのだろう。ケータイ、ゲーム機からデスクトップまで、統合的に開発・提供できるのがOperaの強みだ。
つまりOperaはプラットホームが違っても、「見ている先」は同じ、つまり「初心者でも使いやすく」という考えが徹底されているということなのだ。
インターネットを「普通の人」にも
何かしたかったら「拡張」しなければならないFirefox*6、と「初心者でもとにかく使える」Opera。同じWebブラウザというカテゴリでありながら、両者の思想は全く正反対と言っていいだろう。
革新的なものが登場したとき、まずはスキルの高い、「新し物好き」が飛びつく。そして「流行もの好き」が入ってくる。今はこの時期だと思う。これからは「普通の人」が入ってくる時期だ。今、シェアわずか1%のOperaだが、徹底して「普通の人」をターゲットにマーケティングを進めれば、ある時を境*7にこの数字は爆発的に膨らむだろう。
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