新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

ぬれ煎餅でいい気分になってるお前ら、高千穂鉄道のことも知ってください。

いい話だよね、うん。ワシはこんな話でいい気分になれるお前らがうらやましいよ。嫌味無しに。
だがこの手の話はそんなに簡単じゃあないんだ。せんべいで電車は走らないんだよ。

高千穂鉄道

宮崎県に「高千穂鉄道」ってのがあってね、台風で線路がやられて復旧に26億円かかるってんで、断念して全線廃止になって、その後をどうするか協議中なんだけど、まぁ↓を見てよ。

  • 1989年4月28日 九州旅客鉄道JR九州)高千穂線を転換し高千穂線開業。
  • 2003年3月21日 トロッコ列車「トロッコ神楽号」を運転開始。宮崎県のリゾート基金や宝くじの補助金で導入。
  • 2005年9月6日 台風14号による大雨のため、第1五ヶ瀬川橋梁と第2五ヶ瀬川橋梁が流失。この他、道床や路盤の流失、土砂流入などの被害を受け、全線で運転休止。
  • 2005年12月9日 復旧費用の負担ができないため、取締役会で全線復旧を断念。被災が比較的小規模だった高千穂駅〜槙峰駅間のみの運行再開については協議を継続。
  • 2005年12月20日 部分復旧を断念。取締役会で会社の整理を決議。
  • 2006年1月31日 社員27名を清算事務にあたる2人を除いて解雇。
  • 2006年9月5日 国土交通省高千穂駅槇峰駅間の休止届と槇峰駅延岡駅間の廃止届を提出。

これが現実なんさ。で、泣けるのがこの↓ページ

高千穂鉄道では、1月31日付けでの社員の退職に伴い、ホームページの運営・管理が不可能な為、今後は「走れトロッコ列車準備室」の情報を提供して行きます。
17年間と言う長い間のご愛顧、誠にありがとうございました。
もはや、公式サイトすら更新できない。で「準備室」を覗いてみると…

今後の支援のお願い(オーナー制度)※許認可後の取扱い

必要数 目標金額
まくら木 25,000本×(1本 5,000円)=125,000,000円
いぬ釘 180,000本×(1本 2,000円)=360,000,000円
橋梁塗装 17,000?×(1? 20,000円)=340,000,000円

どうよ、このリアルさ。まくら木のオーナーになってくださいって、釘を1本2000円で買ってくださいって言ってんだよ。煎餅売るってレベルじゃねーぞ!(流行語)

中途半端な善意はやめようや

あのな、日本全国にどんだけこんな鉄道やバスがあると思ってんの? それを「煎餅買ってやるから頑張って!」だ? 寝言言ってんじゃないよ。署名が銚子市の人口を上回ったって、そりゃダメだろうが。乗りもしないやつから煎餅買ってもらって、この場はなんとか乗り切ったとしても、そこに住んでる銚子の奴らが何とかしないことには、問題の解決にはならない。先送りしてるだけじゃないか。
ひょっとすると5億数千万円の設備投資して延命させ、将来への負担を作るよりも、会社を解散して退職金に回したほうが社員や銚子市民にとっては幸福かもしれない。それこそぬれ煎餅屋に商売替えすればいい。でもこんな署名や金が集まっちゃったら、やめるにやめられなくなるだろうが。ちったー考えて物言えよ、この偽善者どもが。

追記:「ばかじゃねえの」


署名や運動が盛り上がれば何らかの支援が受けられて健全な鉄道事業が復活するかもしれない。全てはやってみないとわからない事ではないのでしょうか。
ワシは若いヤツが、夢と希望を持って、なんか頑張ってるのは嫌いじゃない。つーか好きだ。んが、それは若いヤツに限る。大人は夢だけではなく現実を見なければならない。「やってみないとわからない」的なことでインフラ事業をやってもらっては困る。

銚子市の人口減少率は県内3位となっており、近年の少子高齢化を反映していると言える。かつては、東総地域の中心的都市としての役割を担っていたが、現在、近隣の旭市茨城県神栖市などに雇用口や商圏などが移り、市内の活気は薄れ、観光や水産業などの面でも頭打ちの状態が続いている。銚子市の半島特有の交通の便の悪さなども起因しており、今後も人口減少が進むとみられている。
これが現実だ。ちょっといい話に全米も泣くかも知れない。しかし、本当に泣くことになるのは誰なのか。まず、それを考えてみると良いだろう。

ワシの代替案

(この段落は、駅舎や車両、線路設備などを見る前に書きました。現在の代替案は無し。結論としては「廃業もしくは転業」。)
代替案も出さずにダメだダメだとばかり言うのは面白くないので、ワシのアイデアを書いてみる。ただ、やっぱここまで来ると絶望的で、救世主的なアイデアが出せるわけではない。また銚子市の実情を把握しているわけでもなく、具体的な提案も出来ない。よってワシが「あったらいいな」と思うアイデアに留まっていることは承知してくれ。
と、グダグダ書いたが、何のことはない。「駅のコンビニ化」だ。既に物販をやっているのなら、その営業範囲、時間を拡大すればよい。朝食を食べずに家を出たサラリーマンや学生に、あったかいおにぎりでも出せば、相当喜ばれる。遅くまで働いて、クリーニング屋にも行けない人のために、コインロッカーを利用した受け渡しを行う。朝コインロッカーに洗濯物を入れれば、帰りにはできあがっていて、料金を入れれば取り出せるようにする。宅配便の出し受けも出来ればいいな。レンタルビデオの返却とかも。電車の中で読む新聞の代わりに、おもろいブログのピックアップをプリントアウトして広告入りで無料配布するってのはどうだ?(笑)
このアイデア、どうだろうか? 煎餅の物販が出来るなら、それほど難しい話ではないと思うのだが。24時間営業が出来なくても、駅の営業時間の間開いていれば、こんなに助かることはない。以前は規制とかで出来なかったかも知れないが、今なら緩和されているだろう。どだ?

追記:国交省が安全確保命令 枕木腐食/車両通過中に遮断機上昇


 ◇全国4例目、改善求める
 国土交通省関東運輸局は24日、銚子電気鉄道(小川文雄社長、銚子市新生町)に対し、鉄道事業法に基づく安全確保命令を出した。鉄道事業者に対する命令は全国で4例目。線路の枕木の腐食や車両の通過中に遮断機が上がり始めるなど事故につながりかねない危険な状態が保安監査で明らかになったため。
 同運輸局によると、10月23〜26日の定例監査で、全長6・4キロの線路や全24カ所の踏切などを調査。前回(99年)の監査では、今回ほど重大な違反はなかったという。
 踏切1カ所で車両が通過中でも遮断機が上がり始めており、遮断機を設置した79年以降、こうした状態が続いていたとみられる。また、線路の22カ所で枕木の腐食や沈下が確認されたほか、列車の通過を知らせるせん光灯6カ所▽踏切標識8カ所で、未設置や腐食など違反のケースがあった。
 命令は勧告、指示に比べて最も重い措置。施設の修繕の早期実施や、経営幹部が安全管理体制を確立することなどを命令した。2カ月以内に同運輸局への改善措置の状況報告を求めている。
 ◇向後功作・銚子電鉄鉄道部次長の話
 早急に計画書の策定を検討。改善のできるものから順次実施していく。

 11月25日付けで、関東運輸局より鉄道事業の改善命令が発しられました。このことは、報道機関をとおしてすでにご存じの方もおられるかと思います。。2ヶ月以内に措置状況を報告することになっており、改善が認められない場合には運行停止処分が有ることも、命令書受領の際に言及されました。
 私たちは、この命令を厳粛に受け止め、安全確保の措置をできることから順次実行に移して参ります。
 今回の命令に対する改善計画を早急に策定するよう努力し、利用者の生命を守ることを第一に取り組んで参りますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
さらに現実的な話が来たね。わずか全長6.4kmで違反が37箇所。果たして2ヶ月以内に改善報告が提出出来るのだろうか。年末年始には安全強化キャンペーンがあり、国交省の指導も厳しくなる。銚子電鉄の売りの一つに「日本一早い初日の出」を見るための列車があるそうだが、新年早々葬式を出すようなことにならなければよいが。(銚子電鉄は過去に正面衝突事故を起こしている)
もう一度言おう。せんべいで電車は走らない