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The new TERRAZINE

大型ハリケーンは温暖化の影響? 関連性で議論再燃


マサチューセッツ工科大の気象学者、ケリー・エマニュエル氏が英科学誌ネイチャーに報告した研究によると、地球上の海の表面温度は70年代に比べ、平均約0.6℃上昇した。一方、ハリケーンの持続期間と強さは同じ期間に1.5倍と、大幅に増大したという。エマニュエル氏は「海水の温度が少し上昇しただけで、ハリケーンの威力は非常に強まる」と結論付けた。海水温が上昇すると、ハリケーンは水蒸気からより多くのエネルギーを得て、威力を増すことが知られている。
これに対し、コロラド大で災害や気候変動の社会的影響を研究するロジャー・ピエルキ・ジュニア氏は「温暖化による影響は限られている」との立場。今世紀中に温暖化がハリケーンに与える影響は、5%以内の風速増大にとどまると主張している。同氏の説は今年中に、米気象学会紀要に発表される見通しだ。
現在、専門家らの間で有力なのは、大西洋深海の塩分濃度や水温が40−60年周期で変化しているとの説だ。それによると、約10年前からみられるハリケーンの活発化は温暖化とは関係がなく、今後20年前後続くことが予想される。
チャールストン大の物理学者、テリー・リチャードソン氏は「ハリケーンと温暖化の関係は立証されたとは言えないが、排除されてもいない」と語り、議論の決着までにはさらに研究が必要との見方を示している。
温暖化→異常気象と単純に語ることはできないということです。
例えば、温暖化は地球スケールの大きな現象ですが、災害をもたらす集中豪雨は局地的なスケールの小さい現象です。この2つを簡単に結びつけれられる人は、天才か大嘘つきです。