新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

ホンモノに触れれば、子供は興味を持つ。



人吉市の田野小学校では毎朝、児童が気温や雨量、風向などの気象観測を続けている。もう47年目。雨の日も雪の日も続けてきた自慢の伝統だ。
観測を始めたのは59年度。まだ観測所が整わない時代で、旧建設省が委託した。「田野小から頂いたデータは球磨川の治水・利水対策の貴重な基礎資料として活用しております」と国交省。観測技術の向上で委託は03年末で終えたが、その後も独自で観測を続けている。
昨年夏、これまでの観測データを生かした研究報告書を6年生がまとめた。平均気温や雨量を表やグラフにして「最高気温はどんどん上がっている」「10月が最も雨の日が少ない」など地域の気象傾向も記した力作。今年度は観測を総合学習に生かし、地域の気象条件に合った農作物選びなどをする計画だ。
理科の授業で気温や雨の事を習っても、それだけでは興味を持つことはできないだろう。実際に観測し、データを整理して形にする。そしてそれが本当に使われるなら、子供は責任感を持ち、一生懸命やるだろう。旧建設省の委託が終わってしまって、多分モチベーションを保つのが難しくなっているだろう。正式ではなくても、熊本地方気象台のWebサイトに載せてあげるとかできないものだろうか。