新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

音楽出会い系サイト「music forecast 247」

来た。久しぶりに来た。この熱い気持ち。そう、僕らは音楽が好きなんだ。
株式会社に・よん・なな・みゅーじっくは3日後の8月18日にプロテクト無し、フルバージョンの楽曲ダウンロードを、http://mf247.jp/で行うことを発表する予定だ。


iPodに数千曲も入れられるという状況は、もはや音楽という〈作品〉を収集しているのではなく〈情報〉を集めて持ち運ぶという感覚なのであろう。つまり「1枚のビニール盤がすり切れるほどアルバムに針を落としていた時代」は、誰にとっても紛れもなく音楽は〈作品〉として聴かれていたわけだが、新しいメディアの発達とあいまって、リスナーにとって音楽は〈作品〉ではなく〈情報〉として捉えられているのではないだろうかという考えに至ったわけである。
(中略)
ファイル交換やアップロードが露見してきた時に、権利者やレコード会社は、大切な作品を勝手に盗まれていると主張し、私自身もそう考えていたが、もしもリスナーが「情報を集めている」という意識であったとするならば、大きなギャップが生じていたのではないだろうか。
しかしながら、現に2004年にも100万枚、200万枚といったメガヒットアルバムが誕生している。なぜリスナーは、ダウンロード等で音楽の〈情報〉を集めるだけにとどまらず、好きなアーティストのCDを購入するのだろうか。…それは人により音楽の〈情報〉が〈情報〉のままで終わる場合と、〈情報〉が愛すべき〈作品〉になる場合があるからにほかならない。
もっと聴きたい、すべて聴きたい、と思う人がCD購入やライブ参加の行動へと移るのである。これは音楽特有の現象ではなく、映画でも小説でも同様でソフトビジネスの根幹でもある。送り手側が〈作品〉と位置付けても、受け手によって感動を覚えるもの、まったく心が動かないものがあり、感動しない人からすれば、観た、あるいは読んだものは〈作品〉としてではなく〈情報〉としてインプットされるにすぎない。しかし、感動した人には大切な〈作品〉に昇華し、心に残るのである。(中略)
まず〈情報〉を無料で、ひとりでも多くの人に届けて広めないことには何も始まらない。そこで、アーティストの音楽をまず聴いてもらうためにインターネットを活用して「マスに向けた"路上ライブ"」を展開することとした。
まず〈情報〉としてリスナーに提供し、数多くの〈情報〉から、その人特有の〈作品〉を見つけてもらい、CDの購入やライブコンサートへの参加に繋がるようなプロセスを構築したいと考えるに至った。
熱い。熱すぎる。だがこれは、そこらの熱血若造が書いた訳じゃない。以下この文章を書いたmF247主宰の丸山茂雄氏の経歴を抜粋する。

mF247主宰の丸山茂雄氏
1966年4月 (株)読売広告社入社
1968年6月 (株)CBSソニーレコード入社(現ソニー・ミュージックエンタテインメント
1978年8月 (株)EPICソニーレコード設立
1993年11月 (株)ソニー・コンピュータエンタテインメント設立 代表取締役副社長
1998年2月 (株)ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役社長
2002年7月 (株)ソニー・コンピュータエンタテインメント取締役 現在に至る
2003年3月 (株)に・よん・なな・みゅーじっく設立 代表取締役 現在に至る
完全にメジャー側の人である。大御所である。おっさんである。なのに何だ、この熱い文章は。
それは、はてなダイアリー「丸山茂雄の音楽予報」を読めばすぐにわかった。

  • 日比谷、野音に ''忌野清志郎''さんのコンサートに行きました。
  • 渡辺美里の第20回西武球場コンサートに行きました。
  • 指揮者&作曲家の神田慶一さんと会う。日本のオペラをどう発展させるかという、彼の話を聞いたが、解決しなければならない問題点が多すぎて、適切なアドバイスをしてあげる事ができなかった...。とりあえず、次回までの宿題という事にした。
  • 話題にならなかった映画の中の音楽にも、売れていないゲームの中の音楽にも、きらっと光る良い音楽が埋もれている事があるのを、知っていますか? 70年代まで主流だった、演歌や歌謡曲が今でも良い曲をひっそりと作り続けている事を知っていますか? インターネットの良さは、傍流にも平等なチャンスを与える事ができる事です。
  • SME(ソニーミュージックエンタテイメント)を退職して、新たにインディーズ247ミュージックを立ち上げて、準備期間を含めれば3年経ちましたが、自分の考えを外に発信する手段が限られていることが、悩みでした。
    いい音楽であれば、必ず評価されて、世の中に広まっていき、必ずヒットに結びつくというのが、インディーズの論理ですが、その音楽を聞いてもらわなければ、ユーザーに判断してもらえないという事もまた事実です。
    丸山の考えを多くの人に理解してもらいたくても、会って話せる人は限られていているので、極めて限定されています。
    な〜んだ、インディーズのミュージシャンと自分と、同じじゃないか・・・という事です。
  • アップルコンピューターが日本でスタートすると言う事から、日本のマスコミがこのところ、どのサイトが優位で、どのサイトが劣勢になるかと言った話や、どのサイトが100万曲を用意したが、このサイトはまだ20万曲しか用意していないとか、そんな話で持ちきりです。でもこういった話題の中に、音楽のにおいがまったくしません。

ああ、この人は本当に音楽が好きなのだなぁ。


音楽ファンというものは、大きく分ければ二つに分かれます。新しい音楽を探している『音楽好き』と、単に流行っているものが好きな人達です。私がmF247で繋がりたいのは、新しい音楽を探している『音楽好き』です。
昔、音楽をやっていた『音楽好き』にとって、今の日本の媒体の環境では、新しい音楽を探していても見つかりません。新しい音楽を聞くには、ライブハウスか、路上しかありません。そして、そこで新しい音楽を見つける人達は、若い人に限られています。でも、社会に出てしまった元ミュージシャンの『音楽好き』は、新しい音楽に出会えません。
時間と体力の無くなった、でもセンスだけはいまだに良い元ミュージシャンで現社会人の『音楽好き』に、新しい音楽を聞いてもらいたい。自宅の机の上で、新しい音楽の発見のできる環境を作りたい。そして新しい音楽を世の中に送り出す応援をしてもらいたい。
これがmF247を作ろうと思った動機です。
サイトの名は「音楽予報」。予報というと天気予報を思い浮かべちゃうけど、本当は読んで時のごとく「あらかじめ しらせる」こと。「ねぇ、ねぇ。こんなイカす曲があるんだよ?」それがmfだ。
でもどちらかというと、アーティストとリスナーを結ぶ「音楽出会い系」の方が気がするよ!(笑)