「指導者がいないからクソブログが減らない」――TERRAZI“大人ブロガー”の必要性を語る
「昔はプロの文筆家が短い文章の中に言いたいこと全部入れた文章を書いていた。今のブログは、素人が推敲も無しに文章を書いている。理由はアフィリエイトが入って本人の収入になるから。文章の才能もないのに」
「文章は、たくさんのイメージをどんどん削ってできる。書き手の言いたいことを伝えながら書きすぎず、イメージを膨らませてくれるのが文章の醍醐味。技がなければダラダラ書くしかない。ダラダラ書くと文章が長くなる」
加えて、ブログザービスが増え、htmlなどを自分で書くことが必要無くなり、素人の作り手でも簡単にサイトを作れる環境が整ったことも、クソブログの増えた理由だとTERRAZI氏は分析する。
文章発表のハードルが下がり、文章の書き手が増えることは、ネット文化を豊かにもした。「ネットが民主化されて、やりたい人ができるという状況はできた」。だが、増えすぎた素人ブロガーを切磋琢磨する指導者が足りないという。
「母集団が大きい方が可能性はある。だがちゃんとしたものに育てるには指導者がいる。例えば野球。野球少年の数は今から20年前のほうが多いけど、大リーガーになって活躍するような選手は、今のほうがレベルが高いかもしれない。指導者がちゃんといないと、質は上がらない」
ネット上では、一般ユーザーが一斉に作品を評価し、多くの人に評価された作品が残るという流れがあり、それが“Web2.0的”ともされている。
「ネットで“総表現時代”が来たと言われている。玉石混交だけど、検索や評価の機能もたくさんできたから、わりといいものが浮かび上がるという思想だよね。その通りだと思うけど――」
「結局、文芸にしても、雑誌の編集者が、いいとか悪いとか批評・指導しながら作家が育つ。ブログも同じように誰かが正しい批評をして『ここは良くない』『ここはいい』とちゃんと言ってあげないと技術や質は上がらない」
「総表現時代だから、誰もが1作くらいは名文が書けるのかもしれない。でもシリーズを1本作るとか、2本目が書けるかどうかというのは、かなりの専門的な指導とトレーニングが必要だよね」
「ところがプロの編集者が指導してるはずの[ライブドアPJ」や「オーマイニュース」、「JANJAN」の体たらくを見ると、まずは編集者のトレーニングが必要に思えるよね。
でも、基本的にタダでやっているブログに編集者をつけるなんて、実際問題無理。だからこそ、みんなでコメントやSBMで評価したり、指導してあげればいいんじゃないかな? それが「Web2.0時代の編集者」のあり方だと思うんだよ。ブログの質を上げたかったら、まず読者が質の高いコメントやブックマークをすることなんじゃないかな? それが「集合愚」を「集合知」にする第一歩だと思うよ。
そして、それを引っ張るべき存在なのが「大人ブロガー」。マルコの言う「大人ブロガーを探せ!」ってのこういうことなんだと思う。id:finalventに限らず、アルファと呼ばれる「大人ブロガー」に、この辺りを自覚してもらえれば、ネットはもっともっと面白くなるんじゃないかな?