新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

「させていただく」が新語探検入り


最近の若者に目立つことばづかい。
もともとは、自分の行為を相手に許可してもらい、それによって相手に対してへりくだった気持ちを表すことばだが、最近では「私は○○高校を卒業させていただきました」とか「先生のご著書を読ませていただきました」といった言い方が増えている。高校を卒業したのは自分の実力であって、教師の恩恵によって卒業できたのではない。作家の著書を購入して読むのも自分の意思であって、作家から贈呈されて読んだのでなければ、本来の用法からすると誤りである。
実際には受けていない許可や恩恵を受けているかのように見立てて、相手を敬っていることを示す丁寧表現のつもりで使っているようだ。
おそらくこれは「ファミレス・コンビニ敬語」だよね。それに関する言及が無いのは、ちょっと甘いかなぁ。それに「最近の若者」って表現はだめだろー。「yy年頃から若者層に目立つようになった」とかじゃないと。亀井肇さんは『新語探検』は読み捨てコラムで済ませて、資料的文献にするつもりはないのかなぁ。もったいない。