ワシが人を褒めない5つの理由
なぁ、ワシと付き合いの長いお前。そう、お前のことだよ。ワシに褒められたことってある? やっぱ無いよな。褒めた記憶がないもん。んで、うるるんさん*1とか、はてブのコメント読んでるうちに、なんでワシ、人を褒められないんだろって考えた。
貧乏人の子は褒められない
単純な話、ワシ、小さい頃から褒められたことが無いんよ。まぁ、容姿端麗ってわけでもなく、運動音痴、歌がうまいわけでも、楽器が出来るわけでもない。人に秀でたモンなんて持ってないから、褒めようがない。テストの成績だけは良かったけど、ほとんど褒められた記憶無いよ。
なんでかっていうと、貧乏人の子供にとって褒められるってのは「なんか貰える」だったのさ。お菓子とか小遣い貰えるとか、晩飯がトンカツになるとか。でも貧乏だからそんなには褒められないのさ。仕方ないわな。
母親はちょっと違ったかな。ワシの母は「J( 'ー`)しカーチャンバカでゴメンね」みたいな人で、「鳶が鷹を生んだ」って言ってはばからなかった。だからカーチャンAA『野球、ごめんね』の「俺は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、一生懸命に勉強した」ってとこがツボで、条件反射で泣ける。つーか今も見て泣いてる。あ、脱線したな。スマン。
九州人はシャイだから褒めない
飲み屋で偶然久しぶりに旧友と再会する、という状況を思い浮かべて欲しい。標準語的に表現すると↓こんな感じだろう。
おー、久しぶりだね! 元気してた? 一緒に飲もうや!
これが九州弁になると↓こうなる
こんバカチンがぁ、きさーん、なんばしよっとやぁ!
念のために言っておくが、決してケンカをふっかけているわけでない。最上級の懐かしさと嬉しさを表現しているのだ。これに対する返事はこんな感じ。
せからしか、こんバカチンがぁ。どっかうせろ!
標準語に訳せば「うるせーバカ、お前なんかと飲めるか」となるが、彼は「うわっ!めっちゃ嬉しい! 今日は朝まで飲むけん覚悟しろ!」と言っているのだ。九州人ってのは「罵倒語」でコミュニケーションするのが基本だ。友人から褒められようものなら「何だ? 気色悪い。借金なら無理だぞ」ってなものである。
かの「ほりえもん」こと堀江貴文も福岡の筑後出身だ。彼は「カネが全て」と公言し、そういう男だと思われている。しかし、旧ライブドアが買収、あるいは援助した事業には「カネが全て」では説明できないものがある。堀江は「バクチですよ。カネになりそうに無いものが大化けしたら、大もうけでしょ?」ってなことを言っていたが、これはロマンチストの九州男児が照れ隠しで使う言葉の典型的パターンだ。
九州人はとにかくシャイだ。褒めるのも褒められるのも苦手。お前らの近くにも無駄に声がデカくて横柄な九州人がいるだろう? 試しにそいつを褒めてみろ。みるみるウチに真っ赤になって、かわいくなっちゃうから。
九州人のメンタリティを理解するのに良い文章を紹介する
ちなみに九州内ではビールジョッキではなく「どんぶり」、合成酒ではなく「焼酎」である。「九州人は酒が強い」と思われているが、それが誤解であることがわかってもらえただろう。「強い」のではなく「強くなる」のだ。
ワシの褒め方・感謝の仕方
このように貧乏な九州人であるワシは、上手な褒め方がわからない。ものすごく褒めたいんだけど、本人を目の前にすると「まだまだだな」とか「調子に乗るなよ」とかしか言えなくなるのだ。
でも、本人がいないところなら出来る。あいつはスゴい、天才だ、モノが違う。もう、ものすごい勢いで褒めることが出来る。「自分のことでもないのに、自慢してるみたい」とよく言われる。そのくらい絶賛しまくっているそうだ。
「同じ事を本人の前でも言ってあげればいいだけなのに」って思うかもしれんけど、ワシには出来ん。ずいぶん前にも「叱るだけでなく誉めるべきだ」って、てんてんさんに助言されたんだけど、やっぱ出来んわ。
でも、それでいいかなと。ワシ一人に褒められても大して嬉しくないだろうけど、ワシの自慢話を聞かされた人がそいつの事を評価してくれるようになればいいから。
おまけ:今一番褒めたい二人を自慢する
「TERRAZINEって本文よりおまけの方がイイ」というけしからん噂があるが、事実だから反論できん!(笑)ってことで、ワシの自慢の二人の話を聞いてくれ。
町田直哉
プログレッシブ志向のギタリスト。曲の良さ、技術の高さもさることながら、聴衆を引き込む魅力を持っている。一言で表すならば「天才」。人に言われるまで「プログレ」を知らなかったというのだから、天然にもほどがある。20歳になったばかりのクソ生意気な若造なのだが、かわいくて仕方がない。ダイジェストで2曲紹介する。
Dreamily
町田直哉の代表曲。いつ聴いてもノリノリで、気持ちよくなれる。
WILD CARD 〜サムライウエスタン〜
彼が携帯電話で録音した曲をメッセンジャーで転送し、ワシが試聴してダメ出しをしまくった曲。
彼の誕生日に仲間と東京に遊びに行った時、飛行機代を半分だけ持ってやった。ワシはどうしてもその人に来て欲しいとき、この「半分持ち」をする。全額でないのは、自分の意志で来てもらいたいから。最上級の評価をしている相手だけに使う手法だ。
彼のことも褒めたことは一度もないと思う。そうだなぁ、「ワシのテーマ曲作れ」とは言った。そしたら作ってくれた。メチャクチャ嬉しかったけど、感想は一言「ひねくれた曲だな」。そしたら「ひねくれた人の曲ですから」。そうですか。
エミリー
鹿児島のライブハウス『リレット』のボーカリスト兼美人ママのリレットの娘がこのエミリー。前に鹿児島にいたときに、リレットの歌とマスターのギターを聴くのが好きで通っていて、そのとき小学生だったのが6年ぶりに帰ってきたら、こげんこつになっとった(驚) とにかくメチャ歌がうまい、かわいい、若いと三拍子そろっている。ありきたりな表現になってしまうが、本当に成長が楽しみ。歳をとるってのは、あまりありがたくないが、若い奴らの成長したところを見れると思えば、長生きしたいと願うね。
気持ちを伝えよう♪
夏休みのライブの模様*2を録音したもの。いつもは弾き語りなのだが、やはりバンドが付くと曲に広がりが出る。
夏休みのライブで、この母娘が一緒に歌うという最高に「耳福」「眼福」を味合わせてくれた。ちょっとこれは聞けないよ。
ワシは褒めないし、謝らない
ワシはあまり謝ることもしない。何故かというと、言葉で謝ってもらっても何とも思わないから。よくいるだろ?「すいません」*3って言ってれば大抵のことは許されるって思ってるヤツ。あれが大っ嫌いなんだよ。謝って許さないと「こっちは謝ってるのにヒドい」みたいな面しやがる。謝って済むならケーサツいらねーんだよ。
じゃあどうするかったら、そりゃあ働いて返すしかない。仕事でヘマやったなら、3倍仕事しろ。ブログでやらかしたなら3倍良い文章を書く。それしかねーだろーよ?
褒めて育てる? はん、チャンチャラおかしいっての。つまりは口先だけって事じゃんかよ。人を育てたいなら、まず自分を鍛えることだろうが。福岡ダイエーホークスが強くなったのは、王監督や根本さんが褒めたからじゃねーぞ。秋山や工藤が必死で努力しているのを見て、小久保が育ち、それを見て松中や城島が育ったんだ。今じゃホークスは、「お前ら練習しすぎ」っていうくらい練習しまくってるよ。
紹介した二人だってそうだよ。町田直哉は放っときゃずーっとギター弾いてるよ。大学の勉強して、バイトして、曲書いて、練習して。爪が割れるくらいメチャクチャがんばってるよ。エミリーも学校行って、部活やって、休みは店手伝って、終わってから練習してる。コイツもバカだから、練習しすぎで体調崩したり。
こんな連中に、テキトーに書いた文章をテキトーにでっち上げたブログなんかやってるワシが、一体何を言えるって言うんだ? ワシが出来ることといえば、飛行機片道持ったり、金田一先生の「心地よい日本語」の講演*4に連れて行ったりする位しか無いんだよ。
ワシは褒めないよ。絶対。褒められて嬉しいと思われる人間にワシがなるまではね。つーか、ワシに褒められたいとか褒められて嬉しいとか思ってるヤツ、いねーだろ? いるなら言ってくれ、ナンボでも褒めてやるから。タダだしな(笑)
関連リンク
- ♪JAZZ LIVE HOUSE リレット通信♪
鹿児島天文館のライヴハウス「リレット」のブログ。ライブスケジュールはココでチェック! - ONE WORLD 2005 charity concert
昨年末、リレットが中心となって行われたチャリティコンサート - Retro sky
町田直哉のサイト。「ミュージック」から何曲か試聴できる。 - 秋山幸二 - Wikipedia
秋山幸二のエピソード。これを読めば何故「人一倍」彼が努力できたのかがわかるかもしれない。