奄美大島でがけ崩れ、住家1棟半壊 けが人なし 6世帯が自主避難
写真を見てもらうと分かるが、「木が生えていれば保水力が上がって土砂崩れが起きない」というのは間違った常識だ。多少の雨での土砂の流出を防ぐ効果はあるかもしれないが、大雨でも耐えるような強さはない。
5日午後11時20分ごろ、龍郷町中勝の公務員池田由美さん(49)方の裏山のがけが高さ約40メートル、幅約50メートルにわたり崩れた。名瀬署によると、木造2階建て住家の1階部分が土砂で埋まり半壊。池田さん1人が2階にいたが、気付いて逃げ出しけがはなかった。龍郷町と奄美市は災害対策本部を、瀬戸内町は災害警戒本部をそれぞれ設置。がけ崩れがあった龍郷町中勝の住民6世帯13人が親類の家などに自主避難した。
鹿児島地方気象台によると、梅雨前線は奄美地方に停滞し、6日夕方にかけて激しい雨が予想される。気象台は奄美地方北部・南部に大雨洪水警報を発令。県と同気象台は喜界、瀬戸内両町と宇検村に土砂災害警戒情報を出し、注意を呼び掛けている。
「土砂災害警戒情報」という聞き慣れない言葉があるが、これは警報より上、いわゆる「スーパー警報」にあたるものだ。これが出たときは、どこかで土砂災害が起きると思っていい。そのくらい高確率で的中している。今はまだ一部の県でしか施行されていないが、これから全国に展開される。まずはやばい所に住まないこと。住んでいるなら十分に気をつけること。「土砂災害警戒情報」が出たときには遅いこともあるので、警報の段階で避難を考えること。気象台や自治体はあなたを死なさないように、日夜努力している。後はその情報を生かしてあなたの身はあなた自身で守るしかない。避難しても災害が起きなかったら、避難して損したと思わず、災害が起きなくて良かったと思ってほしい。死んだら終わりなのだから。