新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

技術屋が数字のマジックを使うなんて恥ずかしいことをするな


内閣官房は24日、国家公務員の定員純減で、関係省庁に追加で検討を求めていた「純減重点7分野」の回答を公表した。気象庁など4分野がゼロ回答。
気象庁はゼロ回答の理由について「国民の安全や生活にかかわる防災気象情報や天気予報を提供している」と主張した。
公務員の削減で気象庁が槍玉に上がっている。確かに2005年度の定員は5958名。ドイツ2546、フランス3710に比べ多いように感じる。それに対して気象庁は「災害の多い日本なんだから単純比較すんな、ゴラァ!」ってわけだ。気象庁が提出したレポートを元に検証してみよう。
定員純減に向けた検討結果について
つーか、このPDF、コピペできないんだけど、ふざけてるの? 関係ないけど、なんで「検討結果について」なんかねぇ?「検討結果」でええやん。なんでもかんでも「〜について」って書く人って頭悪そうに見えない?
閑話休題
気象庁は単純に職員数ではなく、「職員数/災害件数」で見てくれよ!って言ってる。

これをみれば、ドイツ94.3、フランス43.1に比べ、日本は24.0とすごく少ない。。「な? ニッポンはこれだけ災害が多いんだから、人増やすくらいじゃないと」って言ってもいいくらいだ。
でも、ちょっと待った。なんかおかしくないか? よく見ると「災害データは1900年から2005年までの積算値」って、100年前の災害まで含めてら! 治水技術が向上し、災害に強くなった現在、この数字になんの意味も無いことは中学生でもわかる。国民バカにしてんのか? せめて自分たちが統計値として使ってる30年くらいにしろよ。本当に恥ずかしい。他に挙げている根拠は、例えば「気象だけじゃなくて、地震火山もやってる」とか、どれも納得できるものなのに、このインチキ数字を出してしまったばっかりに、全然信用できないし、説得力もなくなってしまっている。
気象に限らず、どんな分野でも民間で出来るものは民間でやった方がいい。でも例えば気象庁を民営化したらどうなる? 全国津々浦々に気象情報が行き渡らなくなるかもよ。だって世界最大の民間気象会社のウェザーニューズ社でさえ、こんだけしか事業所がないんよ?

東北ですらスカスカやん。これで離島や僻地はどうするんだろ。全国どこにでもちゃんと荷物を運んでくれるクロネコと郵便局と同じに考えていいのかいな。
技術屋は技術屋らしく、しっかりした数字と根拠を挙げて、正々堂々と反論すればいい。インチキみたいな数字のマジックを使うなんて、恥ずかしい真似をするな、バカ!
参考:「風の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ」という日本中から失笑を買った毎日新聞のコラムを引用して「そのとおりである」なんて言ってしまう、「日刊 動労千葉」(旧国鉄労組)
自分たちの利益のためなら、非科学的根拠でも利用するような者たちを、誰が信用するというのか。