新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

気象情報から検証する

この雨に関する情報の前に、7月10日18時50分に記録的短時間大雨情報を出している。新津市村松町付近で約70ミリの大雨。この雨で地盤が緩んでいたことも、大きな災害に繋がったと考えられる。


[要因]
12日夜には梅雨前線が北陸地方に伸び、13日夜にかけて、活動が活発になる見込みです。
[雨の予想]
 新潟県では、12日夕方以降、雨が降り始め、13日午前0時頃からは、局地的に雷を伴った短時間の強い雨が降るでしょう。
 予想降水量は、多いところで、1時間に20から30ミリ、 降り始めから13日午前6時までで、中越下越で80ミリ、佐渡上越で60ミリの見込みです。13日日中も強い雨の降りやすい状態は続き、中・下越を中心に更に降水量が多くなり、大雨となるおそれがあります。
要因も降り始めの予想も合っているが、雨量の見積が甘い。実はこれにはシステム的な欠陥があるのだ。この後、11時20分に出した情報第2号では警報の可能性を言及している。つまり新潟地方気象台は警報級の雨が降ることも、この時点で視野に入れていたと思われる。24時間以上前に警報を出すのは、社会的な影響も大きく、よほどの根拠が無い限り難しい。そこでひとまず注意報で様子を見たのだろう。実際13日04時までは降っても20ミリ程度の雨になっている。
気象台は朝5時に予報を出すので、4時から5時の間はとても忙しくなる。このように警報が出ようかという場合は特にだ。テレビも5時のニュースに間に合わせたくて、問い合わせが頻繁になる。社会活動も始まっているから、交通機関等からの問い合わせ、学校などからの休校にするかの問い合わせもある。とにかく忙しいのだ。
不運なことに、その5時に時間26.5ミリ、そして6時には38ミリという警報基準すれすれの雨量を観測する。6時29分に警報を出し、7時には42.5ミリで警報基準突破。9時には58.0ミリという記録的な大雨を観測する。出し遅れではない。だが、もし12日の段階で警報が出せて、決壊した堤防の補強が出来ていれば…。起きてしまった災害にタラレバは通用しない。