新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

雨が降れば傘をさす

経営者たるものは、すべて天地自然の理法に基づいて行動しなければならない。これは何もむずかしいことを言っているのではない。たとえば雨が降ったら傘をさすということである。

つまり集金をせねばならぬところには集金に行く、売れないときには無理に売ろうとせずに休む、また売れるようになれば作る、というように大勢に順応するということである。

集金すべきところから集金もせずに、新たに資金を借りようとする人があるようだが、金を借りるのならば、まず集金に全力を尽す。それでもなお資金がいるときにはじめて借りる、という至極簡単な当たり前のことを、どれだけ的確に行なうかが非常に大事なのである。

「日本」という企業の経営者は、この基本がわかっているのだろうか? 景気が悪い時に無理にモノを売ろうするのは、梅雨の最中に膨大な数の乾燥機を運転して、日本中の湿気をとろうとするようなものである。じめじめした梅雨には梅雨の、乾燥した冬には冬の暮らし方がある。四季のあるわが国に暮らす日本人である我々には、よくわかっていることのはずだ。
「株主」も同様で、ふたこと目には「景気対策」。馬鹿な経営者と、馬鹿な株主しかいない会社は、潰れてしまう事こそが世のためだ。