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子供が初めてネットで痛い目に遭うのにメルカリは良い場所かもしれない

「子供とネットを考える会」主催の『子供とフリマアプリを考える会』に参加した。
子供とネットを考える会 - 2017年03月04日開催「子供とフリマアプリを考える会」

0部「自己紹介」

参加者20名超のイベントとしては珍しく、スタッフ含めて全員の自己紹介が行われた。一般保護者は少なく、ITリテラシ教育や消費者保護関連の職業の人が多い印象。学校や警察、行政の人も。名前と職業だけではなく、今回のことへの意気込みや普段思っていることなどを積極的に話す人が多かった。
ワシは「メルカリは使ってなかったので登録しようと思ったら、まだ売買までいかない登録段階でクレジットカードの番号とセキュリティコードまで要求する」「『私立 制服』や『無線LANケーブル』で検索すると面白いとこですね」とやや牽制気味にいれた。

1部『メルカリCSからの話」

メルカリカスタマーサポートの話をまとめると「なんでもありの無法地帯じゃないですよ。ちゃんとやってますよ」ということ。

  • 違反行為には厳重に対処する。
  • ユーザー間のトラブルにも「ユーザー間でやってね」だけではなく介入もしていく。
  • 不審な動きがあればアラートがあがる。
  • 通報もやりやすいようにしている。
  • それでもトラブルに遭遇したら補償も行っている。
  • コンサートのチケットなどで入れなかった場合も返金補償している。
  • 返金補償になった出品者は制限をかけている。
  • サポートは24時間365日の220名体制で全社員の半数。
  • 教育・啓発活動も行っている。
  • 警察や消費生活センターとも協力関係。
  • 特許庁などと偽物撲滅を取り組む。

その上で「ガチガチに規制するのではなくフリーマーケットらしいゆるさも」というスタンスとのことだった。これはフリマビジネスとして大事なところだろうし、もし問題が発生した時にも逃げとして有効だと思った。

2部『保護者から見たSNSを利用した個人間商取引』

「子供とネットを考える会」主催者、山口あゆみさんの話。『保護者から見たSNSを利用した個人間商取引』のタイトルとは裏腹に、彼女は普通の保護者じゃなかった(笑)。とにかくよく調べている。そして参照資料が見にくかったら見やすく作り直したりもしている。「中高生を定点観測」「キーワードでひっかけてGoogleアラート」なんて言葉がバンバン出てくる。どんな保護者だよw

Twitterでの個人売買の実情。
  • 取引用アカウントを作る(本アカと分けることで万一の被害拡大を防ぐ)
  • 募集用ハッシュタグ付きでツイートを流す/探す
  • 欲しいのがあったらリプライ。以降はDMでやりとり
  • 現金ではなくAmazoniTunesなどのプリペイドカードでの取引が多い。

別アカウントなので親が気づきにくいし、DMだとさらにわからない。カネの流れもつかみにくい。
年度末近いこの時期はバイクや卒業式で着る改造制服(卒ランと呼ぶそうだ)の取引が多いそう。手渡しによる取引をしたいんだそうだ。なるほど。
Tiwtterは売買専門サービスじゃないからトラブルが起こりやすいし、起きてもなんの補償もない。売人の評価も分からない。メルカリの方が安全だよね(ゲストへの配慮)

保護者として何ができるか?
  • 子供の財政は把握しておきたい。普段から「小遣い足りてる?」「欲しいものある?」などの会話が必要。
  • 買ってやった覚えのないものがあったら「これどうしたん?」って聞こう。でも小遣いで買える範囲だと一々聞くのもね。
  • 今の子供の取引トレンドを知っておこう。
  • 相談先もおさえとこう。ただ個人間取引だと消費者センターは管轄外、警察も明らかな詐欺のようなものでないと動きにくい。

3部「ディスカッション」

2部を締めないまま3部になだれ込むバトルロイヤルw 面白い質問、意見、感想という名の主張が続出したw
色々あったのだが、ワシが思ったのは「コミュニケーションでのトラブルやバカッター的犯罪行為に比べれば、メルカリなどの商取引でのトラブルはカネで解決できる分、マシではないか」ということだ。早いうちに多少の『授業料』を払って痛い目に遭った方が良いと思うし、なんなら自演で我が子を痛い目に遭わすことも可能だ。
メルカリで自分の制服を写真に撮ってアップすればいくらでも頭のおかしい連中を経験できるだろう。

『プロ保護者』になろう

これらのことを実践するのは、つまり『プロ保護者』になる、ってことだと思う。それは「子供が困ったときに相談される親になる」ってことだ。ただ、子供の側も「怒られたくない」というよりも「親に心配かけたくない」って気持ちがあるので隠す面がある。イジメを隠すのもそうだ。ネットの取引も、親子間も結局は『信頼』という、なんのひねりもない結論にたどりついた。まぁそんなもんだわな。
おしまい。