老舗インターネット情報メールマガジン『WebCatch』が休刊へ
誠に恐縮ですが、2007年7月31日をもって配信を一旦終了し、休刊することといたしました。
2007年07月26日発行 第2419号
困る。
これ1本で十分まかなえた
創刊から10年余り、インターネット上での情報発信は大きく変化しました。メールマガジンはネットユーザーの生活の一部という形で定着していきました。昨今では、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が大きく台頭してきましたが、メールマガジンも多くのユーザーの支持を得ています。
そんな中、できる限り継続して本誌を発行していきたい気持ちはありますが、諸般の事情により、日々の編集業務を行う時間の捻出が困難となりました。
『WebCatch』はどのようなメルマガだったのだろうか。2001年7月26日のバックナンバーを見てほしい。
基本は「オススメ!情報 Catch」で、最新ニュースをジャンル分けし、「要約付き」で紹介。この「要約」が肝で、BOT以下の羅列型ニュースサイトや、機械的に先頭部分だけを配信するRSSとは違い、「人の手で編集されている」ので非常に読みやすい。「たかが要約」と侮る無かれ。ダラダラとしたリードの上、肝心なことは「詳細は以下のとおり」とかいう、GIGAZINEのRSSと読み比べてみれば、いかに編集者の文章力とセンスが重要かがわかるだろう。
あとは巻頭コラムの「TOPICS」、映画専門誌からの転載記事「NOSTALGIA Catch!」、セキュリティ専門誌からの転載「セキュリティ Catch!」、耳寄り情報・雑感コラムの「ウェッブ宝島」、オンラインソフトお試し奮闘記「オンラインソフト宝島」といった充実したコラムで、Web関連情報の入手はWebCatch1本で殆どまかなえた。忙しくてWebすら見る余裕が無くても、メルマガのWebCatchなら、さっと読むことができた。
メルマガより退化しているWeb2.0
こんな優良メルマガが休刊なんて、本当にショックで残念で悔しくてならない。何がWeb2.0だ、何がブログだ、何がRSSだ。10年経ってもWebCatchの足元に及ばないようなクソニュースサイトの癖に、バカ衆愚によってブクマされPVウハウハ。それにも飽き足らずPVを上げるために全文配信せず、ヘッドラインから飛んでも、まだ「詳細は以下のとおり」とかいうGIGAZINEが有料配信なんて、何かがおかしい。間違ってる。
求む「ポストWebCatch」
というわけで、WebCatchには是非存続してもらいたいのだが、良質であるが故に手間がかかる*1のは必然。最近はコラムの掲載が少なくなり、維持できなくなっているだろうことは薄々感じていた。ここで休刊というのは残念だが仕方が無いのだろう。
どこかにWebCatchくらい高品質な情報入手源は無いだろうか。もし無いのならば、誰かやってみないか? あえて名指しするが、b:id:guesthouse あたりならWebCatchを超えるものができると思うんだけどなぁ。ワシに後1日2時間余裕が出来たら、「メルマガ・RSSを1日1回手動配信する、読者参加ブログ型ニュースサイト」をやりたいんだけどねぇ。
*1:この品質を保つには、ワシなら毎日2時間はかかると思う