新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

クリスマスの精神?


法王即位後、初のクリスマスを前にしたベネディクト16世は「現在の消費社会では、歳末のこの時期になると残念なことに、(クリスマスの)真の精神を脅かす、商業主義の『汚染』にさらされる」と批判し、クリスマスは静かに厳かに祝うべきものだと呼びかけた。
法王はさらに、キリスト教徒は「素朴に、かつ効果的に、自分たちの信仰を示し、子供達に伝えていく」方法として、イエス・キリスト生誕を祝うゆりかごを各自が自宅に飾るべきだと呼びかけた。
法王という「クリスマスの真の精神」とは、どんなものなのだろうか。

クリスマスの由来は諸説あるが、古代ローマ冬至の日に行われていた「太陽神の誕生祭」や「農耕神への収穫祭」が、後にイエス・キリストの生誕祭と結びつき、クリスマスになったといわれる。
当時のローマでは、太陽神を崇拝する異教が大きな力を持ち、12月25日を太陽神を祭る祝祭日としていた。そこで、初代キリスト教の指導者達が、異教徒との対立や摩擦を生むことなく異教徒にキリスト教を広めるために、12月25日はクリスマスとされた。
この説によれば、クリスマスは布教活動のため、つまり営業上の理由で作られたことになる。コカコーラ社がサンタクロースを赤くしたのと、どのくらい違うのだろうか。免罪符を売っていた連中が商業主義を批判とは失笑を禁じ得ない。