どこそこに上陸したとか、暴風域に入ったとかは、目安に過ぎない
マスコミ等での台風情報は、台風の動きばかりに注目していて、周囲の気象状況の解説が少ないような気がする。例えば「九州に上陸」と報道があると、他の地域の人は「まだ九州か」と思ってしまう。もっとちゃんと気象情報を見る人でも、強風域さえ入っていないのだから、やはりまだまだ先、と考えてしまうだろう。また、インパクトのあるニュースにしたいがために、とにかく数字ばかりにこだわり、その数字がどういう意味を持つのかを伝えない。例えば「○時○分に最大瞬間風速○メートルを観測しました。」とニュースになる。でも風向を伝えない。風向の変化は重要なのにもかかわらずだ。はっきり言えば、風がごうごう吹いているときに、外に出るバカはいない。風で亡くなる人のほとんどが、台風が最も近づき風が弱まったときに、家を補修しようとしたりして外に出て、吹き返しの風でやられるのだ。ところがその風はMAX値ではないから報道されないのだ。
台風21号の接近と本州上に停滞する前線の影響で、東海地方は二十九日、三重県尾鷲市で午前七時五十五分までの一時間に観測史上三番目となる一三三・五ミリの猛烈な雨を記録するなど、同県南部を中心に激しい雨に見舞われた。
各気象台によると、午後一時までの各地の二十四時間の雨量は尾鷲七八六ミリ、津三一〇ミリ、四日市一一九ミリ、名古屋四四ミリ、岐阜三三・五ミリ。
総合的な気象解説ができているのは、NHKニュース10の高田さんくらいのように思える。
以前から何度も述べているとおり、単独の気象現象では大きな災害に繋がることは少ない。今回のように台風と前線、あるいは大潮や満潮といった複数の現象が組み合わさったときに、甚大な災害が起きるのだ。