日本中の白熱電球を全部LED電球に変えるとどのくらい節電できるのか計算してみた
政府が白熱電球の製造販売自粛し、LED電球の生産販売を増やすように要請したそうだ。
政府は、この夏の節電対策の一環として、消費電力の大きい白熱電球製造と販売の自粛を求めることにしたもので、13日は環境省の横光副大臣らが照明メーカーや量販店など業界団体の会合に出席し、製造・販売を自粛するとともに、節電効果の高いLED電球などの生産や取り扱いを増やすよう、異例の要請を行いました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120613/k10015807041000.html
白熱電球ってどのくらい電気食ってんの?
全電力消費量のうち白熱電球が占める割合はどのくらいだろうと思ったので調べてみた。
2005年と少し古い調査結果だが、白熱電球が占める電力消費量は「130億kWh」で、国内電力消費総量の「1.3%」とのことだ。
白熱電球とLED電球の消費電力を、同じ「60W相当の明るさ」で比較
- 白熱電球 54W
- LED電球 9.2W(シャープ DL-LA83N)
消費電力54Wの白熱電球を9.2WのLEDに交換した場合
9.2÷54=17.037037%
消費電力は約17%になる。
白熱電球を全部LED電球に変えた場合
130億kWhの17%=22.1481481億kWh
電力消費量は22億kWhになり、130億kWhから108億kWhの節電になり、
107.851852 / 9996 = 0.010789501
国内電力消費総量を「1.08%」減らすことができる。
電球型蛍光灯じゃダメなの?
- 電球型蛍光灯 12W(パナソニック EFD15EL12EF)
消費電力54Wの白熱電球を12Wの電球型蛍光灯に交換した場合
12÷54=2.22222222%
消費電力は約2.2%になる。
130億kWhの2.2%=28.8888889億kWh
電力消費量は29億kWhになり、130億kWhから101億kWhの節電になり、
101.111111 / 9996 = 0.0101151572
国内電力消費総量を「1.01%」減らすことができる。LED電球との差は0.07%という計算になる。
夏の節電対策のために白熱電球をLED電球に変えることに効果はあるのか?
上の試算は、一年を通しての期間のものだ。夏場は照明が点灯している時間も短いだろうし、そもそも節電が必要なピークタイムは照明の需要が低い昼間だ。高いお金と製造時の電力を使ってまで、白熱電球をLED電球に変える必要はない。
2005年の頃よりは白熱電球から省エネ型照明への交換も進んでいるだろうし、大きな効果が期待できるとは思えない。
地デジ『エコポイント』とは何だったのか
地デジ普及のために政府がやった『エコポイント』。これに乗せられて慌てて買った人も多いだろう。だが、エコポイント終了後もテレビの値段は下落を続け、性能は向上している。「待てば良かった」と思っている人も少なくないのではないか。
政府がてこ入れするということは、てこ入れしないと売れないということだ。売れないのには売れない理由がある。それは値段が高いということだけではないだろう。
消費者庁は、市場に出回ったLED電球の一部について、パッケージやWebサイトで記載した「白熱電球に相当する明るさ」が実際には出ておらず、景品表示法に違反していたとして、再発防止などを求める措置命令を下した。
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経済産業省が、白熱電球からLED電球などへの切り替え推進をあらためて打ち出したすぐ後での発表となった。
LEDシーリングは、従来の主流であったインバータ式蛍光灯シーリングに対して、1.5倍の電力を消費し、価格が3倍もするという、トンデモ商品です。
http://d.hatena.ne.jp/nelbone/20120616#20120616fn1
LED照明の発光効率は約80ml/W、一方FHL照明の発光効率は約120ml/W(いずれも現行製品の効率の良い製品で比較してみた)。よって、同じ明るさを確保するためには、LED照明のほうがFHL管型の1.5倍の電力が必要となる。また現状の価格ではFHL管を15,000時間ごとに交換しても、器具&運用コストはLED器具と比較しての3倍程度開きがある。
我が家で使っている白熱灯は風呂とトイレの60Wが二つだけ。点灯時間も短く、LED電球などに変えても節電できる電力量は知れてるだろうし、費用対効果も期待できないので当面交換する予定はない。