W-ZERO3(ES)の携帯ビデオプレイヤーとしての実力を検証
W-ZERO3とは
まずW-ZERO3を知らない人のために、一言でいうと「ケータイの軽やかさ」と「ノートPCの便利さ」のいいとこ取りを狙ったモバイル端末である。
OSにWindows Mobile 5.0を採用し、MS-Office文書も扱えるため、これまでのケータイとは次元を画した利便性と汎用性を持つ。また専用に開発されたOperaブラウザにより、PC用の一般的なWebページもほとんど問題なく閲覧することができる。
このような高性能端末が3万円前後*1で購入できるため、爆発的なヒット商品となっている。
ビデオプレイヤーとしてのW-ZERO3
現在の所「FLV(YouTube形式)」以外は全部再生できる。よってFLVだけは携帯動画変換君などでコンバートする必要があるものの、基本的には転送するだけで再生することができる。これはiPodやPSPに対して大きなメリットといえるだろう。
映像再生能力
四の五の言わずに見てもらおう。W-ZERO3無印で涼宮ハルヒの憂鬱のオープニングをTCPMPで再生し、それをDVカメラで撮影、DivXにコンバートし、Stage6にアップロードしたものだ。音声もW-ZERO3内蔵スピーカーで出力したものをDVカメラ内蔵マイクで拾ったものだ。素材は字幕の視認性を確認するためにfansubのものを使用した。
http://stage6.divx.com/members/66283/videos/2911
「♪冒険でっしょ?でしょ?〜誰のたーめじゃなーい」の超高密度シーン以外は全く問題なく再生できていることがわかると思う。問題のシーンだが、ここだけは圧縮が効かず一時的に3Mbpsを超える情報量になっており、W-ZERO3の処理能力かminiSDの転送能力が追いつかず、激しくコマ落ちしている。このようなシーンは普通の映画・アニメではほとんど存在しない*2ので、実用上は全く問題ないと言って良いだろう。
バッテリーの保ちと不安定さが問題
W-ZERO3の最大の泣き所は、高性能であるがゆえの消費電力の多さである。今回はテストしなかったが、こちらのW-ZERO3 [es] バッテリベンチ!によるとESで4時間、無印だと2時間程度の結果が出ている。よって充電キットや予備バッテリーなどの携帯が避けられない。
また、よくフリーズするのもケータイらしからぬ欠点である。ESではリセットボタンが押しやすくなったそうだが、無印では裏蓋を開けなければならない。そのうちふたを固定する爪がバカになってしまうだろう。困ったもんだ。