新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

お客様は神様じゃない

『「いただきます・ごちそうさま」こそ日本文化そのもの』というコラムで、「金を払っているのだから、店がお客に感謝すべきだ」という話をした。これは「お客様は神様」という考えがあるからだと思う。だがそれは全く勘違いをしている。
客は店に自分の欲しいもの(サービス)を要求し、店はそれに応える。代わりに客は店に「代金」を支払う。代金を辞書で引くと「品物または物件の対価として支払う金銭」とある。つまり当然の義務を果たしているだけなのだ。給食でも外食でも、先に要求しているのは客側であって、店側ではない。客は自分の欲求を満足してくれた店に感謝し、店は自分を選んでくれた客に感謝する。対等な立場なのだ。もし客が望みもしないモノを店側が一方的に押し付けて取引が成立したならば、「お客様は神様」かもしれないが、この場合「お客様はカモ様」というのが正解だろう。