新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

くだらねぇ


 H2Aロケット7号機で先月26日に打ち上げられた運輸多目的衛星(MTSAT)新1号の愛称をめぐり、気象庁国土交通省のさや当てが激しくなっている。
 衛星の放出成功直後の会見で長坂昂一(こういち)気象庁長官が「ひまわりという名前はすでに国民に親しまれている」と先手を打ったのに対し、国交省航空局は「まだ静止軌道にも到達していないのに」と困惑気味で、「正式名称のMTSATで不都合はない」とけん制。“名無し”のまま5月下旬の仕事始め(気象観測)を迎える事態も懸念されている。
 MTSATは「ひまわり5号」の後継機としての気象観測機能と、航空管制や航空機と地上設備の通信を行う測位・通信機能を併せ持つ初の衛星。製造費163億円と初期運用費60億円の7割は国交省航空局が負担している。
 MTSATはもともと、1999年11月に1号が打ち上げられる予定だった。愛称も一般から募集。9500通の中から選ばれた「みらい」は、打ち上げ成功後に種子島宇宙センターでお披露目するばかりになっていた。しかし、打ち上げ失敗で「みらい」はお蔵入りの憂き目に。
 一方、今回の新1号は衛星製造メーカーの納入遅れや、H2Aロケット6号機の失敗などのトラブルが続いたため、愛称公募は見送られていた。
 「ひまわり」という知名度の高いブランドを持つ気象庁側は「国民の皆さんが呼びたいように呼んでくれれば」(気象衛星室)と余裕の構え。対する国交省側は、運用開始でも気象庁の半年後と出遅れるとあって形勢不利は否めず、担当者も「民間の通信衛星のように愛称は付けず、MTSATのままで良いのでは」と対抗案がない状態だ。
 すれ違う両者だが、過去に選定された「みらい」は「縁起が悪いからダメ」という点では一致している。
北側国土交通相が3月8日の記者会見で、「ひまわりという愛称は国民に定着している。国民にわかりやすいのが一番だ」と言ってるわけで、いまさらもめてるなんてあるんだろうか。まぁ例によってマスコミは適当におもしろおかしく書いてるだけなのかもしれないけど。
大臣も言っているとおり「わかりやすいのが一番」で、「運輸多目的衛星エムティーサットの映像です」より「気象衛星ひまわりの映像です」の方がいいに決まってる。