明太は、なぜまずくなったのか
ああ、悲しい。もはや明太は福岡の名産品ではなく、福岡の恥に成り下がっている。幼少の頃から慣れ親しんだものの惨状を見て、黙っていられない。以下、なぜ明太はまずくなったのかを簡単に考察してみる。
結局の所辛さしか分からない単純な味。こんなものがいつから関東でもポピュラーになってしまったのだろう。ああ、悲しい。こんな辛いだけのタラコなんて、わたくし御幼少の頃には食した事がなかった。
グラム単位の価格表示
スーパーマーケットなどの発達で流通がシステム化し、価格表示は「グラムいくら」が標準的となった。確かにわかりやすいが、それは同時に「水増し」の温床となっている。「○時間、じっくりと漬け込みました」というのは、それだけ調味液につけ込む時間を長くして、かさを増やすためである。驚いたことに、そのことを堂々と自慢している会社もある
水分が多いため、いたみやすい
当然ながら水分が多いため、保存がきかない。流通・販売には嫌われてしまう。
でも「保存料は使っていない」とうたいたい
だから、大量の唐辛子や香辛料をぶち込む。
消費者は「情報」を食べている
こういう過程で、べちゃべちゃで辛いだけのクソマズ明太のできあがり、となる。生のままご飯に乗せて食べる分はまだマシだが、焼いたり、熱を加えて調理すると水分がなくなるから、ボソボソして香辛料の嫌味が際だち、食えたものじゃなくなる。
結局は商品表示や、「○○産スケトウダラ使用」とか「高級唐辛子をブレンド」とか「秘伝のタレで○○時間熟成」とかいう売り文句に釣られるバカな消費者ばかりだから、こういう事になるのだ。
熱い声援、旨い明太。博多はやっぱり最高! by井口資仁(大リーグ挑戦ガンバレ)
「明太一腹でご飯3杯はいける」のが、福岡人のアイデンティティなわけで(笑)、この体たらくは憂慮すべき事態だ。「名物にウマいものなし」の中に明太を入れるわけにはいかぬ。業界は危機感を持つべきだし、消費者は情報ではなく、自分の舌を信じてもらいたい。