新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

Skypeとはなんなのか

IP電話だの、P2Pだのの話をここでするつもりはない。そういうのだったら、ぐぐれば他にいくらでもでてくる。といっても、最後は「どうやってんのか、さっぱりわからんけど、スゲー!」ってとこまでしかわからんのだけど。


つーか、君たち普段仕事以外で電話なんかします?
さすがYenさん、ナイスぼけ。そしてナイスつっこみ。
まず、コメントへ回答は「しない」ってことになる。では、なぜしないのか? 現在の電話での会話は音質が悪く、よく聞き取れない。ただでさえ悪いのに、携帯電話やコードレス子機など、さらに悪化している。だから、仕事での「連絡」でしか使えないのだ。これは広義の会話ではあるが、「はずむ」といった形容詞で表されるようなものではない。逆に家族や親友、恋人と言った近しい間柄であれば、「こいつなら、次にこう言うだろうな」というのがわかっているので、多少聞き取れなくても補完できる。だから会話がはずみ長電話、といったことも起きる。Skypeは、その圧倒的な音質で、これまでの電話から抜け落ちていた、微妙なニュアンスまで伝わる。長電話が苦にならない。しかも無料だ。
Skypeを単なる無料IP電話と考えると、あまりおもしろくない。ひとはこれまでに出来たことが、多少よくなっても、興味を持たない。が、Skypeは電話という概念を変えてしまうものなのだ。

Skypeのいいところ

設定がとても簡単であること

バカチョンで全ての機能が使える。両方ともグローバルIPが割り当てられていなくても、ファイアーウォールの中でも。

音がいいこと

はじめてSkypeの音を聞いた人は、皆その音質に驚く。なかには「CD並」とまで言う人すらいる。さすがに大げさだが、普通の電話と比べるそのくらいのインパクトがある。実際はAMラジオ以上、TV音声未満といったところだろうか。音声の遅延によるエコーもほとんど感じない。とても話しやすい。

5人まで話せること

最大5人までの同時会話ができる。これには「5人まで話せる」という意味と、「3人までは話さなくてもいい」という意味がある。これまでの電話は沈黙はタブーだった。ところが5人の会話なら、同時に話すのは2人でいい。後は聞いているってことができる。

無料であること

タダで話せる、って意味だけじゃない。タダだから「話さなくてもいい」のだ。

Skypeの何がおもしろいのか

私はこの「話さなくてもいい」という、これまでの電話とは逆説的なところに、Skypeのおもしろさがあると思っている。究極の無駄話をしてもいい。話すらしなくてもいい。それでも繋いでいると伝わってくるものがある。もちろん普通に会話を楽しんでもいい。技術的な楽しみ方もあるだろう。アマチュア無線をやっていた人には親和性が高そうだ。孤独老人を「見守る」のも電気ポットやガスメーターよりは、Skypeの方がいい。
はてなと組み合わせると、同じ時間に、同じキーワードのネタの日記を書いた人同士が、わいわいと、あるいは喧々囂々と話す、なんてことも出来るかもしれない。企業はサポートに使えば大幅なコストダウンになるだろう。5人まで限定のネットラジオなんて使い方もある。堅くなった私の頭では思いもつかぬような楽しみ方が見つかるだろう。当たり前だけど、Skypeがおもしろいかどうかは、使う側によって決まるって事だ。