新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

虚礼


きょれい【虚礼】:うわべだけで、誠実さのない礼儀。形式だけの無用な礼式。「年末年始の虚礼廃止」
10/20の日記で「これからの人は頑張って。いや、あんまり頑張らないで。」と私は言った。この言葉に偽りはないが、本当にそう思ってたのか。台風が自分の守備範囲から抜け、夜を徹した警報作業が一区切りし、緊張から解放された。ほっとして気が緩んだ時に出た言葉だ。誰かのことを応援なんかしていない、心配なんかしていない。
どうして、こんなことを思ったかというと、毎日楽しみにしている『くらし恵めし』の「災害に近づくな」というコラムが、「被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を願っている。」という一文で始まっていたからだ。「心から」この便利な言葉が付いただけで、その文章がとたんに嘘くさくなる。誰か一人でも被災者の名前を知っているか? 一人でも顔を覚えているか? そんな相手に対して「心から」? あり得ないことだ。「復興を願う」? じゃあ、そのために何かしようというのか?言葉に重みがないのだ。安いのだ。簡単なのだ。たった一文でせっかくのコラムが台無しなってしまった感すらある。