新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

宅地造成地での兄弟生き埋め事故と、「箱ブランコ裁判」を考える


18日午後6時ごろ、北九州市八幡西区上の原3の宅地造成地で、トンネル遊びをしていた市立上津役小6年、鍛治諒君(12)と同2年、輝君(7)の兄弟が生き埋めになった。2人は高さ数メートルの土砂の山にトンネルを掘って遊んでいるうち、崩れた土砂の下敷きになったらしい。2年生男子は2人から少し離れたところにいたという。
造成工事は5、6年前に始まった。現場はフェンスで囲まれていたが、工事用車両の出入り口などがあり、時々、小中学生が出入りしていたので「危ない」と注意することもあったという。
残念ながらこの兄弟は数日後に亡くなった。
さて、何か事故が起きると始まるのが「犯人探し」だ。このケースでは誰が「悪い」のだろうか?
工事現場の監督者? 現場はフェンスに囲まれていて、「危ない」と注意することもあったという。ずっと子供が出入りするのを見張っているわけにもいかない。工事屋さんは悪くない。
子供が悪い? 男の子はこういうちょっと危ない場所が好きなのだ。現場は彼らの「秘密基地」だったに違いない。雨の日だったらダムを造って水を通すトンネルを掘っていたのかもしれない。台風の日なんて大人になった今だって、なんだかワクワクするじゃないか。
親が悪い? 親だってずっと子供を見張っているわけにはいかない。第一、子供というものは親の目をかいくぐって成長するものなのだ。
つまり誰も悪くない。いや、正確に言えば、みんなちょっとずつ悪いのかもしれない。でも、これは不幸な事故なのだ。文字通り「運が悪かった」だけなのだ。子を失った親にしてみれば、「不運」なんて言葉で片づけられないだろうが、それが現実だ。

危ない箱ブランコはかたづけて


「裁判に至る経過」
みなさん、公園にある遊具で箱ブランコ(ゆりかご型ブランコ、椅子ブランコ、安全ブランコなどともいいます)ってご存知ですか?子どもが四人くらい向かい合わせにすわれるブランコです。
じつは、この遊具で遊んでいた私の娘が、右大腿骨を骨折して、緊急入院、手術から退院まで五十日も入院する大けがをしたのが今から二年前のことです。
友だち(当時小ニ)がなかにすわり、もう一人の友だち(当時小三)と娘(当時小三)の二人で、外側から背もたれのパイプをつかんで揺らして遊んでいるうち、転倒してブランコ底部と地面との間に体が入ってしまい、ブランコ底部で大腿骨を骨折したのです。
公園にある遊具でこんな大けがをするとは思ってもいなかった私は、入院五日目に、娘と同室に入院してきた女の子が、やはり箱ブランコで娘と同じようにして遊んでいて左大腿骨を骨折したことを知り、たいへんショックを受けました。
そして、管理をしている藤沢市みどり課に、箱ブランコの危険性を伝え、子どもの遊具としてふさわしくないので撤去の要望をしました。しかし、「子どもの遊び方が悪いから事故が起きたので、遊具の構造自体に問題はない」ととりあってくれませんでした。
(後略)
この人は大きな思い違いと責任転嫁をしている。まず「公園にある遊具でこんな大けがをするとは思ってもいなかった」と述べている。とんでもない勘違いだ。公園は子供が安心して安全に遊べる場所ではない。危険な遊具で遊びながら、何が危ないのか、どうすると危ないのか、ケガをしながら体で覚える場所だ。箱ブランコも普通のブランコもシーソーもジャングルジムもみんな危ない。私が「King of 危ない」と思う遊具が、グルグル回転するジャングルジム「グローブジャングル」だ。これに至っては「危なくない」遊び方を私は知らない。足をかけて「スーパーマン!」とか、勢いをつけてジャンプして「ライダーキック!」とか、メチャメチャ大勢で乗って「100人乗ってもダイジョーブー!」とかやったはずだ。やってないとは言わせない。つか、やってないヤツはヘタレだ。オレとは友達になれないな(笑)っと、脱線したが、そのくらい公園とは危ない場所であることは、普通に遊んだことがあるならばわかるはずだ。箱ブランコが危ないなんて、一目見ればわかる。つまりこの人は公園で「まとも」に遊んだことがないか、裁判のためにウソをついているかどちらかなのだろう。

初めての箱ブランコ

あなたはピカピカの一年生です。今日初めて箱ブランコに乗ります。ヤンチャなあなたは最初から立ちこぎにチャレンジしようとしましたが、大きいお兄ちゃんに止められました。今日の所はイスで我慢です。あなたはイスで揺られながら、どのくらい揺らすと怖いのか、危ないのか、立ちこぎのタイミング、バランスの取り方、いろいろ学びます。体で覚えます。
次の日も次の日もイスでした。ずーっと、イスでした。ずーっとずーっと経ってから、やっと外からゴンドラを揺らす係をやらせてもらいました。張り切って揺らそうとしたらまた怒られました。「そこから中に入ると危ない。その外から揺らせ。」一生懸命揺らしました。途中パイプの継ぎ目に触れてしまい、手のひらの肉を挟んで血が出ちゃいました。そこを持ったらいけないことを学びました。
そして、とうとう憧れの立ちこぎをする日が来ました。ちょっとドキドキしたけどヘッチャラです。だってあなたはたくさんのことを学び、経験したからです。いつの間にか、大きいお兄ちゃんはいなくなり、あなたが大きいお兄ちゃんになっていました。今日新入りの子がやってきました。あなたは言いました。「そこにおったら、あぶなかろーが!」

箱ブランコとは「社会」そのもの

こうして危ないこと、楽しいこと、怖いこと、痛いこと、いろいろなことを感じ、学ぶ。年長者はその場を仕切って、「こっちはお前が乗れ、次はお前がここに乗れ、じゃ行くぞ」と小さい子の面倒を見る。下級生はそれに従い、上級生を真似る。わがままは許されない。なぜなら一人がヘマをすれば、全員を危険な目にあわせることになるからだ。そんなヤツは仲間には入れられない。そうやって身軽な者もどんくさい者も自分に合った遊び方を身につけていく。そう。子供にとって箱ブランコとは「社会」そのものなのだ。
それをこの人たちは、「危ないから」という理由で撤去させようというのだ。
頭、おかしいんじゃねーのか?
なるほど、確かに箱ブランコは危険だ。「欠陥遊具」かもしれない。箱ブランコがある限り、毎年のように不幸な事故が起きるだろう。この資料によると年あたり7件の事故が起きているようだ。で、それがどうした?たかだか7件の事故がどうってんだ? 年何件のいじめ事件が発生してると思ってるんだ? こういう時期にちゃんとこういう遊びをやらないから、いじめなんてものが起きるんじゃないのか? つか、あんた箱ブランコ知らなかったんだろ? あんたこそがちゃんと遊ばずに過保護のまま大きくなってしまった大人そのものじゃないか?!念願叶って箱ブランコを撤去させた後はどうするよ? 次は普通のブランコか? その次はシーソーか? 当然グローブジャングルなんて生かしちゃおかねぇわな。そして残るは砂場だけか? 砂場も子供が埋まるかもしれないし、口に入れたら汚いし。これも撤去だな。原っぱもこけたら危ないし、変な誘拐魔が現れるかもしれないし、公園自体を撤去だな。そうやって子供にとって危ないモノ、有害なモノを取り除いて取り除いて、自分が見せたいモノだけを見せ、やらせたいモノだけをやらせ、トトロのビデオ見せてりゃ子供がマトモに育つの思ってんのか? だとしたらお前の頭はジブリのアニメ並におめでてぇよ!(藁)