新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

毎日新聞のいいところ3つ

ワシは以前、個人ニュースサイトを運営していたことがあり、マスメディアのWebサイトを普通の人よりは良く見ていた。その中でも毎日新聞を一番良く引用していたと思う。
以下にその理由を挙げる。

1.署名記事が多い

毎日新聞は、『毎日新聞ここがウリです』というコーナーにおいて、以下のように謳っている。

署名記事と記者の年齢明記

「顔の見える」新聞作りを目指し、96年4月から署名記事の多様化を進めています。また、「読者に身近な」新聞にするため、社会面などの企画記事には記者の名前に加え、年齢も入れています。

人権に配慮し、読者と共に考えます

確かに他紙に比べて署名記事は多い。デイリーニューズの問題も、執筆した記者が誰かがわかっていたから、あそこまで炎上した面があるだろう。署名記事は無署名記事に比べ責任が重く、やらかしたときにリスクも大きい。そのリスクを承知の上で署名記事を掲載するのは、記事の品質を充実させるという意気込みからだろう。評価できる点だ。
しかし、ジャーナリストの佐々木俊尚氏によると、

署名記事の多くは官公庁の発表ものか、そうでなければ雑感と呼ばれる現場ルポ記事、あるいはコラムなどに偏っていて、調査報道などについてはほとんど署名が加えられていない。たいていは「○○問題取材班」というクレジットであって、これではそもそもクレジットを付ける必然性さえない。

毎日新聞連載「ネット君臨」で考える取材の可視化問題:佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 - CNET Japan

との指摘もある。重要な記事ほど多くの記者が関わり、署名記事にしにくいのは仕方のない面もあるが、「顔の見える記事」を目標にがんばってほしい。

2.ユニバーサルデザインバリアフリーに取り組むページがある

このページは全盲の岩下恭士編集長によって運営されている。見てのとおり、シンプルで広告などもなく、とても読みやすいデザインだ。
バリアフリー」というと、すぐに読み上げ機能や、文字の大きさを変えるJSなどを思い浮かべてしまう。しかし単純に「余計なおせっかい」を無くすだけで、後はユーザー側に任せてしまえば十分なのだ。シンプルなページは健常者にも読みやすい。これこそが「ユニバーサルデザイン」と言えるだろう。

3.過去記事の保存期間が長かった

MSN毎日の前、mainichi.co.jpの時代は、過去記事が2年間保存されていた。「去年の今頃はどうだったのかな?」という需要は多い。それを唯一満たしていたのが毎日新聞だった。
過去記事を蓄積すれば、それだけで資料価値が高まり、検索エンジンからの来訪・PVも増える。そうすれば広告媒体としての価値も高まるのではないだろうか。
現在の保存期間は1ヶ月なのだが、前述のユニバーサロンは例外的に1年間保存されている。ありがたく活用させてもらっている。

悪いところは直させ、良いところを使えばいい

今回の毎日デイリーニューズの一件が強い批判を受けるのはもっともだ。しかし、だからといって「毎日新聞イラネ」ってのは馬鹿馬鹿しすぎる。
普段、ネットや2ちゃんねるの一部の悪いところを、意図的に取り上げられ「またマスゴミのネットバッシングか」なんて言ってる癖に、立場が逆になったらフルボッコとか格好悪すぎる。
100%完璧な組織や人間なんて存在しない。悪い点を追求して全てを台無しにするのは愚か者のやることだ。悪い点を認識しつつ、良いところを利用すればいい。当たり前のことだ。