新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

「個人ニュースサイト」の始まりと終わり

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5月19日に「ゴリラブーツ」という名のニュースサイトが、「ニュスーサイトをはじめてみるよヽ(´ー`)ノ」という文章とともに始まった。偶然、その前日にある元ニュースサイトが休止した。「S M A L L N E W S !」である。

ブログもWeb2.0も無い、昔々のインターネット

「ニュースサイトはプレッシャーが小さい」とかで盛り上がってるのを見て「何周目だよ」と笑ったりしてた。そしたらpyreneesさんがなんか畳んでるし、次の日にはなんか出来てるし、「ニュースサイト論」を何故かワシにメールしてくる元気者がいたりで、しょーがないから何か書くかなと思ったけど、オフ会の準備でそれどころじゃないし、桜島は元気だし、こんなの何度も言ってるし、どーせrhymeさん辺りが何か言ってるはずだと思って検索したら、やっぱり言ってて、しかもその時点で二廻り目だったりで、なんともはや。
ってことで、コピペしとく。ニュースサイトかブログか知らんけど、ネットで何か書くなら読んでおいて損はないよ。

Q:サイト開設に至る動機はなんですか?
TECH:かつてはニュースサイトがなかったんです。高校2年生くらいで“ネットジャンキー”になりまして、ないならば作ってしまえと。当時は、身内向けに知ってるとちょっとした話の種になるようなニュースを集めていました。それから、デザインなどでは、「SMALLNEWS!」さんに影響を受けてます。

エッケ・ホモ! これがメガヒット級の個人サイトだ

当時のデザインコンセプトは「嫌われないサイト構成」でした。
「私が誰であるのか、どういう人間であるのかは、情報を必要とする人間には必要がない」という考えを元に、記載する情報に私のコメントは殆どなかったはずです。「私の意見を書く」という事は「賛同」と「反発」を生むと考えたからです。ですから、情報のみを簡略化して淡々と書き綴りました。
「嫌われないサイト構成」は取り扱う内容にも気を使いました。気づいていた人も多いかと思いますが、初期のSMALLNEWS!では取り扱わないネタが幾つかありました。「バレンタイン」「母の日」「父の日」「クリスマス」というイベント系です。例えば母親を亡くされたばかりの方が「母の日」のネタを見て悲しい思いをするのであれば排除すべき、と考えたのです。それが例え読んで下さる人の1%に満たない場合でも。バレンタイン、クリスマスは、もっと該当者は多いかもしれませんが(笑)
あと、サイトのデザインもどんなブラウザのサイズで見ても形が崩れないようにしました。「この形で見てください」ではなく、見てくださる方に最良の形で提供する、そういう意味であの味気ないようなデザインで統一していたのでした。
今でこそ「PYRENEES!」というハンドルネームと認識でいますが、元々はサイトで名乗る事はありませんでした。
誰かがメールアドレスに使っていた「pyrenees」というアカウントから「pyreneesさん」と呼んで下さるようになり、そこから自ら名乗るようになりました。私自身をサイトで表現する必要がないと思ったからです。
ところが、サイトがある程度認知されてくると、人間味の無さが各所指摘されはじめました。しかし、私自身を表現する事はコンセプトから外れてしまいます。そこで私以外の人間が、私の人間味を表現する必要がありました。
「Workingなうなう」の出番でした。妻の書く文は人間臭く、というか駄目人間な私が大活躍でした。妻の文を私が編集する事は禁止していました。文章を書く上での妻が提示した条件でもありました。実際、一度文章を編集して「Workingなうなう」は終了した事があります。何とか再び書いてもらえましたけど。SMALLNEWS!のサブコンテンツにする事で、私自身の人間性を気にしない人はそのままに、人間性が気になる人が出てきた人は「Workingなうなう」を読んで頂くと。
もう一つ、私のお気に入りであったコンテンツ「知りたがり」というのがありました。一問一答、コメントしてくれた人には必ずコメントを返すというのが私のルールでした。何故か。それはSMALLNEWS!には掲示板がなかったからです。
当時、どこかのサイトで「ウェブページのライフサイクル」というのを読んで掲示板は作りませんでした。「掲示板つくる」→「そこそこ盛り上がる」→「常連できる」→「常連に反発する人間出る」→「どっちかが荒らす」→「本人登場で一旦落ち着く」→「本人叩きが始まる」→「テンション下がる」→「終焉」みたいな事だったかな? 何にせよ、私に対する意見は良いけど、それに対して反論する前に団結されたり、連投されると萎えると思ったのです。ですから、一問一答形式にしました。悪口書かれても「そんな事言わずに〜。本当は友達になりたいんでしょ〜」みたいな返しができたのです。当然、その返しに反論はできません。絶対に私の勝ちです(笑) ただ、人が沢山来てくださると、返信する量が半端じゃなくなるのが欠点でした・・・。自滅ですね。またやりたいなぁ。

ついついソースを見てしまうような昔ながらの貴方へメッセージ(笑)

カルトブックマークのarea_9を見ながら日本で個人がやっている「ニュースサイト」というのは最初はここから始まったんだよなあとか懐かしく思った。
本当の最初は、今でもあるような、個人の日記にツールのアップデート情報がメモ的に書いてあるページが最初だったと思う。でもそれは「ニュースサイト」などという名前では呼ばれていなかった。
でも電脳な日記さんが現れて、CARJ*1の新版が出たという話を書いたりRarUtyのアップデート情報を書いたり割れずで捕まった奴の話とかを書くようになって、みんなが自分たちが知りたいと思っていることについてだけ情報が蓄積されるサイトというものについてはじめて意識したんだと思う。NETWORK!がつかなくてエミュ情報が満載だったSMALLNEWS!さんとMP3TIDALWAVEさんと、志保ちゃんのエミュレーターニュースとがあって、「毎日絶対に更新される自分たちが知りたい新しい情報が読めるページ」というものが存在するということが俺とかにもわかってきた。
その頃からあ!ネットさんは毎日更新していた。のりくさんの地下鉄でGO!はニュースサイトというよりウェブマガジン的な雰囲気があった。のりくさんはずいぶん長くやってらっしゃる方のせいか、俺は今でもそういう印象を受ける。IGGYさんの愚者の館はコラムがとても面白かったが、今あったらあれもニュースサイトと呼ばれるのかもしれない。heheheBBSで鈴木ふみふみ君がいかに連続投稿して荒らしたか、レナさんがどういう風にふみふみ君をバカにしたか、そういう話題が俺は読みたかったと思う。UGで何が起こったか知ることができたのである。そのうちカクトウギセッションさんがUG通信カクトウギセッションの部屋をはじめて、怪しい噂の真相とかあいねたみたいな掲示板で拾った芸能情報を紹介したりハックエミュを配ったりして、すげえ面白いことになった。
個人的な話では俺がそういうサイトをやろうと思ったのはSMALLNEWS!さんがフリーティケットシアターにデリられた頃で、俺はそのせいでフリーティケットシアターにいまだにいい印象を抱いていない。すでにSMALLNEWS!さんは一日6000アクセスくらいあって、たぶんあの頃そういうサイトをはじめようと思った人は多いんじゃないかと思う。TECHさんもその頃のような気がする。TECHさんは最初内輪向けのページっぽくて、SMALLNEWS!さんに影響されただけあってツールの情報とかも多かった。Selfish!さんは最初は改造コード情報中心のページだったと思う。あの頃はsecretさんのUG++の毎日更新されるコメントもとても好きだった。俺がはじめた時は電脳な日記さんがまだあって、SMALLNEWS!さんがあって、MP3TIDALWAVEさんもあって、そして徒然日記さんがアサヒコムとかからちょっと変わった三面記事的なニュースを拾ってきたりしていた。俺はこれらと内容がかぶらないページを作らなきゃいけないと思った。
俺がそういうサイトを作って1ヶ月ぐらいでカクトウギセッションさんがUGNewsTOP!!を作って、そこでこういうサイトは「UGニュースサイト」とか呼ばれるようになった。俺のはツール情報とUGがらみで捕まった奴の話とくだらない芸能情報とキチガイと性犯罪と馬鹿なニュースとUGサイト界隈の話題を拾ってくるページだった。それから2ヶ月もしないうちにUGニュースサイトはIriaとRarUtyのアップデート情報をタレ流しているばっかりで幅をきかせようとしてる連中としてUGではウザがられだした。すでにその頃にはほとんどUGとは何の関係もないページが多くなっていたし、そもそもただ情報を拾ってくるだけのページをUGだなどと認めない人の方が多かった。そういう人は今でもたぶん認めないだろう。UGニュースサイト側もオタクのための情報だけとか、特定のジャンルに特化された内容でサイトづくりをすることがすでに要求されていたが、なかなかそういう流れは来なかったので俺は勝手にイライラしていた。それでも「UGニュースサイト」という名前はずっと残っていた。
「UG」という文字が消えて「個人ニュースサイト」という呼ばれ方になった頃を俺は覚えていない。ニュースサイトが分化に向かったのはずっと後のことだった。フラットクラックスさんのアニオタニュースをはじめて見たとき、俺はああこうなっていくんだよと思った。で、こういう人がいたら詳しくない自分はもうそういう内容をやる必要はないし、やるのも無理だと思った。それで実際ニュースサイトはそれぞれの得意な情報に特化されるようになっていったが、あまりに細分化した個人ニュースサイトはついにUGとは無関係になって、そして再び管理人個人の日記に近づいていった。で、ふたたび地下鉄でGO!のメルマガだけがUGニュースと呼べるものになったんだと思う。しかし原初それらはすべて「UGニュースサイト」だったのであり、俺はそれを覚えていたので、ネットで何か新しいことがはじまるのはいつもUGなんだよなと思っていた。それはこれからもずっと変わらずそうなのだろうと思っていたが、そうはならなかった。そういう昔。

ニーツオルグ - ぼくとワレワレ #29

個人としてGIGAZINEを始めた当初がどんな感じだったのか。大体最初の4年間は月曜日から金曜日まで1日3本ずつ書いてました。やはり更新する数は重要な要素ではないかと。もちろん時間もかかる日はかなりかかってました。
とは言っても名声が欲しかったわけではなく、当時の個人ニュースサイトの流れに乗っていたわけでもなく、孫ニュースサイトのような位置づけでもなかったわけで。理由は、単純に誰とも馴れ合わなかったため。相互リンクなど申込もしなければ申し込まれもせず、掲示板は置かず、誰ともコミュニケーションせず、アクセスカウンタも置かず(だからキリ番ゲットも何もそんなイベントは発生しない)、ただただ黙々とネット中のあらゆるニュースサイトなどを巡って情報を収集しては毎日飽きもせず同系統のニュースをまとめて「要注目」の記事を書いていき、時々自分の意見や予想をメモの代わりにくっつけて書いていくという、誰かに読まれることなど全く考慮していない、それはそれは恐ろしくストイックな更新スタイルでした。そういう意味では、今も基本的に変わっていません。自分のやりたいことをやるためには他人の視線も評価も気にしない、それがきっと真のアルファブロガーへの第一歩。

真のアルファブロガーになるには何をすればいいのか? - GIGAZINE

Webという世界は、一部の特権階級の人たちが楽しく幸せに遊べるように、あなたたち凡人の羅列型ニュースサイトががタダで働き、高いコストを払うことで成り立っているんです。そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる? 今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。この世界の仕組みや不公平なんかに気づかず、他のWebサイトやブログでもぼーっと見て何も考えず羅列して、祭が始まったら真っ先にまとめサイトを作ってくれればいいの。

いい加減目覚めなさい - 羅列型ニュースサイトなんて「期間工」のようなものだ

自分が言いたいこと考えていることを聞いてもらいたい、という純粋な欲求をかなえたいならば、たった一人に聞いてもらうために書け。はじめから多くの聴衆に聞かせるような「汎用性」のある文章よりも、たった一人のために「特化」した文章の方が、逆に多くの人の胸を打つ。

不特定多数ではなく、たった一人を満足させるために書け - 「ネットで書く」ということ

「ニュースサイトとは」「個人サイトとは」「日記サイトとは」「テキストサイトとは」
などの議論は可能な限り無視すること。何も言う必要はない。
手の内について煩悶しながら展開されるエンタテインメントなど、メタ的な意味以上の面白さはない。そして、ただ単にメタ的なものなどは、必ず誰かがやっているし、質を問わなければ誰でもできる。

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*1:シリアル集「Cracker Assist Ring Japoniqua」