新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

法律を変えるのは言論ではない


YOUTUBE著作権を侵害している可能性がありながらも、もうYOUTUBE無しのネットライフは考えにくいだとか、YOUTUBEで紹介された番組のレーティングが上がるという事実で著作権の見直しも視野に入れて考えるべき時期にさしかかっているのは事実なのかもしれない。
しかし、著作権の侵害が行われていると思われる画像を企業が此処まで堂々と使って良いものなのだろうか。はてなはてなブックマークという場で著作権侵害をしていると思われる動画を紹介する事で著作権を見直す動きが大きく加速したとして、果たしてそれは「正しい行為」と言えるのだろうか。
自分が正しい行為だと思ったら法律を破っても良いという理論を、はてなは持っているのだろうか。
法律を変えるのは言論ではないのだろうか。
うーん、あのね、法律を変えるのは言論なんかじゃないよ。エラそうな人がエラそうに「著作権とは」とか言っても、なーんにも変わりゃしないよ。だってさ、今じゃ当たり前の「ヘアヌード」なんて、1991年の篠山紀信「ウォーターフルーツ」以前は摘発の対象だったんだよ? これまでダメだったものが、ある日突然ヒット商品に早変わりしちゃったんだ。法律なんて全然変わってないのにだよ? Googleだってそうじゃない。今じゃ当たり前の「キャッシュ」機能だけど、登場したときはそりゃあスゴい反発があった。Googleは議論の末にキャッシュを搭載したのかい?
時代はさ、常に動いている。それと同じく「正しい」も変化する。それなのに物差しだけそのままじゃ先に進めない。
うん。確かに「メートル」を定めた時みたいに、みんなで議論をしたほうが良いのに決まってる。でもね、物事はメートルのように普遍的なものばかりじゃない。むしろ常に変化し続けるものの方が多いんだ。議論している間にも、次々と新しい技術、新しい発想が生まれて、納得のいく結論が出るわけなんて無いじゃない?

「新しい」・「あらたしい」

今「新しい」って言ったけど、キミはどう読んだ?「あたらしい」だよね? でもこれは昔は間違いだったんだ。ホントは「あらたしい」が正しい。「新たなる挑戦」は「あらたなる」でしょ? でも、みんなが「あたらしい」って読むもんだから、「あたらしい」になったんだ。広辞苑の中の人や金田一先生みたいなエラい学者さんが「あたらしいにしましょう」なんて言ったわけじゃないんだ。なし崩し的にそうなったんだよ。

明らかな「アウト」に対してもWeb2.0的な発想で

ここまで書いといてなんなんだけど、例えば「涼宮ハルヒ全話」とかの「こりゃーアウトでしょ?」ってヤツはやっぱマズいと思う。でもね、だからといって「禁止!」とか「削除!」とかいうのも、20世紀的な古くさいやり方だと思うのね。つまりさ、「注目の動画」になるってことは、そこに商売できるチャンスがあるってことでしょ? だったら、商売すればいいじゃない。100円でダウンロードさせてもいいし、他の民放やCATVにガンガン売り込めばいいじゃない。なんの努力もしないで、旧態依然とした「限定版DVD商法」ってバカじゃないの? 作品のレベルは格段に向上してるし、それに対して並々ならぬ努力をしていると思う。なのに、なんで商売のやり方を変えよう、レベルアップしようとは思わないわけ? 作り手はどんどん進歩して、受け手も進歩してる。なのに送り手だけが、20世紀のまま。でもって、法律に守ってもらおう? 甘えてんじゃないよ。守ってもらわないと存続できない、伝統芸能みたくなりたいのか?
ただ、送り手の進歩を待つ必要はあるのかな?とは思う。甘いかもしれないけどさ。やっぱ進化のスピードが速すぎるって感じはする。進化についてこれないものは絶滅するしかないんだけど、食物連鎖の一部が崩壊したら、全体の崩壊にも繋がるしね。とりあえず、頑張れ、送り手。

Web2.0=ハルヒズム

物事を「正しい」とか「正しくない」とかで見るのは、「間違ってない」けど「面白くない」んだ。そう、大事なのは「面白いか」「面白くないか」なんだよ。「正しくないかもしれないけど、面白そうだから、とりあえずやっちゃえ!」ってのがWeb2.0ってヤツなんじゃないかな? 時代に閉塞感が漂ってる今、一番大事なのはそこなんだよ。
涼宮ハルヒ』が大ヒットして、良かったねーで済ましてどうすんのさ。なんでハルヒが受けたのか、なんで考えないの? なんで感じないの? 答えはいつも自分の胸にある。感じるまま感じることをやればいいのさ。なんちてw

追記

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ululunさんが続きを書いてくれています。→法律を変えるのに言論は必要だ