新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

礼は之和を用って貴しと為す

礼にとっては、和(やわ)らぐという精神が最も大切である。また、礼には、秩序正しさの面とともに、和(なご)やかさが重要である。

私はあまり礼儀作法にうるさくない。下のエントリーにあるように、儀礼的なものより中身を重んじたいと思っているからだ。
深夜のコンビニエンスストア。レジの店員は1人だったのだが、そのときだけ客が多く4人ほど並んだ。補充をしていた別の店員が気が付いて、レジに入った、そのときである。最後尾にいた4,50代の男性がズカズカと割り込んだのだ。だから私は「おいちゃん、常識無いよ?」と諭した。
ここまでは残念ながら良くあることだ。田舎の人間は行列ができない。「フォーク並び」なんて高等な技は知りもしない。
私が驚いたのは、「『おいちゃん』はねーだろ」と言ったからだ。なんとこの男、自分の非常識を棚に上げて、「ジジィ」と言うところを「おいちゃん」にしてやったのに、ケチを付けたのである。スイッチが入ってしまった私はこう言った「それは失礼しました。では非常識な貴男、列の一番後ろに並びなさい。」男性は顔を耳まで真っ赤にして「もういらん!」と捨てぜりふを残し、なんとレジに商品を置いたまま出て行くという、非常識の上に非常識を上塗りする行動を取ったのである。この後、私は店員に「わるかったね、かえって面倒なことになって」と詫びることになった。こういった常識外れな行動をするのは、若年層よりも4,50代の男性の方が多いように思える。凶悪犯罪もそうだったように。
おっと、別にオッサンはどうしようもないという話ではない。私はこんな騒ぎにしたかったわけではなかった。彼に恥をかかせずに、うまく諭すことができなかったことを悔いているのだ。田舎のオッサンに常識がないくらい百も承知なのに、すぐに挑発に乗ってしまう自分の短気さに手を焼いているのだ。常識や礼儀は大切だ。だが、聖徳太子も十七条憲法で言ったように「和を以て貴しと為す」である。順番のルールは守ることは出来たが、店側にしたら商品は売れないわ、元に戻さねばならないは、いいこと無しだ。だからといって目の前でやられて黙ってもいられない。困ったものである。