新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

ドキュメントシステム終了と2000年頃の個人ニュースサイトの話

PC関連書籍専門の編集プロダクション「ドキュメントシステム」が10月末で営業終了するそうだ。
d-sysと出会いは、前のサイト「てらゆか」で開発・公開していたフリーソフトが書籍に載る時に頂いたメールだ。そのメールアドレスからたどって行ったサイトには「News Digest」という、ニュース見出し自動収集システムが動いていた。「てらゆか」は、いわゆる「個人ニュースサイト」でNews Digestを使い出してからは、格段にネタ収集スピードがあがり、そのぶん一つ一つの記事に時間をかけることができるようになった。そのおかげで「コメントが面白い」と評判をもらうようになれたのだ。
当時、見出し抽出系サイトには「あ!ネット」というのがあった。完全手動クリップだったが、それだけに厳選されたネタを提供。それを求める読者が集まり、そこから各ネタ元にトラフィックが流れるという構図があった。今で言うアンテナやRSSの役割をやっていたのだ。
これらのクリッピング系サイトの便利さを感じるにつけ、自サイトでも見出しの配信を考えていたら、なんと全くの他人がやってくれた。「偽春菜(にせはるな)」である。
偽春菜
このソフトは「デスクトップマスコット」とジャンル分けされるのだろうか。かわいらしい女の子「さくら」と相棒の「うにゅう」が「勝手に」いろんな事をしゃべるソフトだ。この「勝手に」というのがスゴくて、ネットワーク更新で常に最新のネタを仕入れて来るのだ。さらには他サイトのヘッドライン抽出・更新チェック機能が搭載されており、私は偽春菜ユーザーの読者に労せずしてヘッドライン配信をすることができた。というよりも、てらゆかの読者層とは違う、「オタク」属性ユーザーを獲得することになったのである。その衝撃はスゴかった。ApacheのUserAgentログは「sakura」で埋め尽くされ、ひ弱なカウンターはことごとく破壊された。まさに津波アクセスだった。
その後自サイトでもヘッドラインを提供するようになり、それを抽出する「あめぞう2000ヘッドライン」に参加。アクセスの半分以上がヘッドライン抽出サービスになった。つまり読者は「てらゆか」にやってくるのではなく、「記事そのもの」に飛んでくるようになったのである。記事単位でアンカーを付けた個人ニュースサイトは当時はまだ少なかったと思う。
その後、津波アクセスに悩まされることは無くなった。津波が当たり前になったからだ。その代わりコメントが津波になって、えらいことになったが。
ドキュメントシステム終了やトップページのあり方に悩むブロガーの話を聞いて、ちょっと昔を思い出しながら、ビール片手にこの文章を書いてみた。ドキュメントシステムと元ドキュメントシステムのみなさんは「はてな」になり損ねた人たちなのかもと思う。地力はあるのだから、別の場所で活躍することだろう。がんばって!