新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

28日WBCミニマム級戦は「貧乏バトル」


挑戦者が恥ずかしそうに打ち明けた。「これ5枚100円で買ったTシャツなんです」。家賃2万5000円の4畳半のアパートに暮らす。徒歩1分のところにあるジムのシャワーがふろ代わり。仕事はコンビニ店員。月収は約7万円。プロ10年目にしてやっと世界初挑戦にたどり着いた。世界戦とはいえ貧乏に変わりはない。「3度の食事は100グラムのご飯に納豆。100グラムのご飯にバター、100グラムのご飯にしょうゆ」。この日のスパーリングは「おなかがすいて力が入らなかった」。
「貧乏」なら王者の京和も負けてはいない。幼少時代、船賃を払えず川幅200メートルの大河メナム川を泳いで通学した。お寺でもらった食べ物を右手で持ち帰るため、帰りは左手だけで泳いだという。病気の母を病院に連れて行けずに亡くした悲しい経験もある。今年1月に世界王座に就いて貧困から脱出した。家族3人6畳一間の生活は、スポンサー提供の3LDKのマンション住まいになった。やっとつかんだ平穏な暮らしを手放すわけにはいかない。
テレビ中継はテレビ東京かぁ。何とかして見たいなぁ。
イーグル京和 小熊坂諭